経営トレンド豆知識 vol.6 リピーターの「忠誠心」

東京には各地のアンテナショップがあり、集積地となっているのが有楽町駅のそばにある交通会館です。北海道、大阪、富山など各地の名産品や地元の人気商品などが販売されています。1階にある北海道、大阪のショップはイートインのコロッケやアイスクリームにいつも行列ができています。筆者は大阪の物産が並ぶ「浪花のえぇもん うまいもん大阪百貨店」でイカ焼きをいただいたことがあります。学生時代は関西に住んでいたので懐かしい気持ちでいただきました。

ちなみに、このアンテナショップをホームページで調べたところ、民間企業が運営していました。自治体運営だけと勘違いしていましたが、民間企業が運営するアンテナショップも増えつつあるようです。 交通会館以外のアンテナショップも訪ねたことがありますが、ギャラリー、観光情報コーナーなども備えて、旅行PRや交流イベントなども行われていました。さらに徳島県が2018年に開設した「Turn Table」は宿泊も可能など、機能がドンドンと拡充されつつあります。1回といわず、何回も活用してほしいと筆者は感じています。

ただ、現状はどうなのか? 知人でアンテナショップの立ち上げに関わる経営者に聞いたところ、利用内容は特産品購入が大半で購入後の評価は総じて高い。ところが利用頻度が低く、リピーターが少ないとのこと。周囲の友人に聞いてみても同様の意見を聞くことができました。だとすると、とてももったいない話です。

利用して高い評価を得たにもかかわらず、リピーターにならないのはどうしてなのでしょうか? その理由はロイヤルティーを高める取り組みが足りないのかもしれません。

ロイヤルティーとは、消費者の忠誠心のことです。基本的に消費者は「新規」と「リピート」の二つに分けられます。そして、重要なのは新規からリピートを増やすこと。そのために必要なことが「やや満足」ではなく「とても満足」する人を増やすことです。やや満足ぐらいでは別の商品を選ばれてしまう可能性が高いと認識すべきなのです。

そこで、アンテナショップで商品を購入してとても満足した人はどれくらいいるのか? そして、どうしてとても満足したのかを分析してみてはどうでしょうか? その回答にリピーターを増やすヒントが隠れている気がします。さらに言えば、やや満足しかいかなかったとすれば、リピーターを増やすことは相当に困難かもしれません。その場合には、とても満足をいただける商品やサービスを地元で探すべきでしょう。

(立教大学大学院非常勤講師・高城幸司)

この記事をシェアする Twitter でツイート Facebook でシェア

次の記事

経営トレンド豆知識 vol.7 ライバルが連携し開拓

立教大学大学院非常勤講師 高城幸司

消費が伸び悩む傾向のお菓子市場で、チョコレートの快進撃が続いています。調べてみると、10年前まではお菓子は景気動向の影響をあまり受けない分...

前の記事

経営トレンド豆知識 vol.5 チェーン店でも地元色を

株式会社セレブレイン代表取締役社長 高城幸司

仕事や旅行で日本各地を訪れたときに、残念な気持ちになる光景に遭遇することがあります。それはコンビニ、飲食店など全国チェーン店ばかりが並ぶ...

関連記事

経営トレンド豆知識 vol.20 何度も選ばれる店づくり

立教大学大学院非常勤講師 高城幸司

ちょうど2年前の2019年、テーマパーク「東京タピオカランド」が東京・原宿駅前に期間限定でオープン。「タピる」「タピ活」などの流行語が生まれ、...

経営トレンド豆知識 vol.19 記念日との連携

立教大学大学院非常勤講師 高城幸司

自社製品の認知度を上げて、売り上げにつなげる戦略として、記念日との連携があります。「○○の日に△△を贈る」あるいは「買って祝う」などのトレン...

経営トレンド豆知識 vol.18 ブランドの定義

立教大学大学院 非常勤講師 高城幸司

世界的人気のジャパニーズウイスキー。2000年代前半までは生産量が大きく減少していましたが、ハイボールブームで回復基調に変わりました。さらに...

月刊「石垣」

20221月号

特集1
老舗に学ぶ経営哲学 100年企業が守ってきた“わが家の商法”

特集2
新たな波が大きなチャンスになる!地域企業連携で新エネルギーに挑む

最新号を紙面で読める!

詳細を見る

会議所ニュース

月3回発行される新聞で、日商や全国各地の商工会議所の政策提言や事業活動が満載です。

最新号を紙面で読める!

詳細を見る

無料会員登録

簡単な登録で無料会員限定記事をすぐに読めるようになります。

無料会員登録をする