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経営トレンド豆知識 vol.5 チェーン店でも地元色を

仕事や旅行で日本各地を訪れたときに、残念な気持ちになる光景に遭遇することがあります。それはコンビニ、飲食店など全国チェーン店ばかりが並ぶ商業施設や商店街。ここはどこなのか、分からない気持ちに駆られます。それでも、店に入って食事や買い物をすると、(当然ながら)いつもと同じ安心感のある味わいとの遭遇。地元に根差した地元ローカルの買い物や食事をしたかったと後悔した記憶があります。訪問者は「ここでしか」食べられない、買えない、地元らしさに消費意欲が高まるもの。そんな消費意欲を高める施策としてコト消費が注目されています。

コト消費とは経験や体験で感動を得られる消費のこと。例えば、京都を訪れて、歴史を感じる風情を眺めながらお茶や和菓子を食べる。ここでしか食べられない希少性に加え、普段と違う環境での食事が新たな驚きを提供してくれます。インバウンド含めた訪問者を対象にビジネスをするなら、地元ローカルでコト消費のできる店づくりが期待されます。

ただ、地元の生活者にとって全国チェーンは、スケールメリットを活用して手軽な商品・メニューを提供してくれるありがたい存在。たまに訪れる訪問者の意向だけで全国チェーン店の存在を否定することはできません。ならば、どうしたらいいのか?

訪問者と地元の生活者の要望を重ね合わせた、地元ローカル色のある全国チェーン店づくりが始まりつつあります。例えば、地元のまち並みの風情に合わせて店舗を設計、その店で提供する商品やサービスも地元の特性を生かして提供するのです。

沖縄にあるファミリーマートでは地元のローカルフードであるポークたまごおにぎりが必ず置かれ、温めることを前提に提供されています。また、地元定番の飲み物であるさんぴん茶やおでんの具として、てびち(豚足)も提供されています。当然ながらお酒は泡盛、パンやアイスのメーカーも地元を優先して店に陳列されています。こうした店づくりによって地元の方々も訪問者も双方にとってありがたい存在として重宝されています。

日本最大規模のカレーハウスチェーンCoCo壱番屋は、ご当地オリジナルグルメとのコラボメニューを企画。函館いかメンチや、高崎の新名物オランダコロッケと定番カレーを組み合わせた商品を地域限定で提供しています。 このような定番プラス地元ローカルによる店づくりを進める全国チェーン店が増加中です。各地で新たなビジネスチャンスと考えてみてはいかがでしょうか?

(株式会社セレブレイン代表取締役社長・高城幸司)

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