藤仲興産
宮崎県延岡市
最初の倒産を乗り越えて
宮崎県北部の延岡市で不動産事業と林業を営む藤仲興産は、江戸時代末期の文久3(1863)年に初代・谷仲吉が荒物商を開業したことから始まった。荒物とは家庭で使う雑貨類のことである。
「近江(現在の滋賀県)から延岡に移住してきた先祖が『藤屋』の屋号で商売を始めたのが最初なのですが、その二代目の弟である仲吉が分家して始めた『藤仲』の開業を当社の創業年としています。分家の際に仲吉は、本家から家屋と資本金500両を譲り受け、それを元手に商売を始め、のちに山や海の産物を取り扱う交易事業に乗り出しました。本家のほうは明治時代に鉱山経営に失敗し、なくなりました」と四代目・谷仲吉さんは語る。谷家では代々、後を継いだ当主が仲吉を襲名している。
最新号を紙面で読める!