政府はこのほど、環境基本法に基づき政府の環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱などを定める「第五次環境基本計画」を閣議決定した。第四次環境基本計画は、2012年4月に策定されており、その中で内外の社会経済の変化などに柔軟かつ適切に対応して、5年程度が経過した時点をめどに見直す旨が記載されていた。
第五次環境基本計画は、「持続可能な開発目標(SDGs)」「パリ協定」採択後に初めて策定される環境基本計画であることから、SDGsの考え方も活用しながら、「経済」「国土」など分野横断的な六つの重点戦略を設定し、環境政策による経済社会システム、ライフスタイル、技術などあらゆる観点からのイノベーションの創出や、経済・社会的課題の同時解決を実現し、将来にわたって質の高い生活をもたらす「新たな成長」につなげていくこととしている。
具体的施策としては、環境ビジネスの市場規模の把握や優良事例の水平展開、環境に配慮するとともに経済・社会的な課題にも対応する国土利用の推進、コンパクトシティーの形成、地域資源を活用した再生可能エネルギーの導入などに取り組む。また、そうした取り組みの中で、地域の活力を最大限に発揮する「地域循環共生圏」の考え方を新たに提唱し、各地域が自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合う取り組みを推進していくこととしている。
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