日本商工会議所の三村明夫会頭は14日、自民党の経済好循環実現委員会のヒアリングに出席した。三村会頭は、成長戦略には日本の潜在成長率引き上げの方策が必要と主張。「地方創生を実現する基盤づくり」「高付加価値化・生産性向上に挑戦する中堅・中小企業への強力な後押し」「女性高齢者の活躍促進による当面の労働力人口の確保」「社会保障給付の重点化・効率化の徹底と負担の公平」の4つの視点を挙げ、具体的方策を求めた。
同委員会は、経済の好循環を地方や中小企業に波及させる方策などを検討。政府が成長戦略を6月に改訂するのに合わせて党の意見を取りまとめる。
三村会頭は、「デフレからの脱却という重要な局面の転換を迎え、これからはわれわれ民間企業が環境変化を捉え、これまでの貯蓄主体から本来の投資主体として行動すべき」と述べ、民間企業は意識改革すべきとの考えを表明した。また、「地域経済の中核的な役割を担う中堅・中小企業が全国津々浦々で、力強く事業に挑戦できる環境を整備することが大変重要」と主張。小規模都市の景気回復、中小企業の賃上げ、適正な販売価格の実現による中小企業の収益性の向上に留意すべきとの考えを示した。特に電力コストの上昇に関して、中堅・中小企業の負担は限界に来ていることから、安価で安定的なエネルギー供給の早期実現を求めた。
さらに、日本経済の再生のためには成長戦略に一気に取り組む必要があるとの考えを表明。潜在成長率を引き上げるサプライサイド政策として、資本蓄積、労働力、生産性向上対策を盛り込むべきと述べた。
日本の潜在成長率の引き上げの具体的方策の視点として、「地方創生を実現する基盤づくり」「高付加価値化・生産性向上に挑戦する中堅・中小企業への強力な後押し」「女性高齢者の活躍促進による当面の労働力人口の確保」「社会保障給付の重点化・効率化の徹底と負担の公平」の4点を指摘。政府の地域経済分析システム(RESAS)の商工会議所などへの全面開放、規制・制度改革、事業者のネットワーク化の後押し、職務・労働時間・勤務地などを限定した勤務形態など多様な働き方を促す施策の推進、社会保障給付における高齢者の応能負担割合の引き上げなどを求めた。
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