少子高齢化が急速に進む中、若年者を取り巻く雇用環境も厳しさを増している。日本の将来を担う人材を育成すべく、教育支援や協力活動などキャリア教育を活発に行い、顕著な功績を挙げている好事例を紹介する。
草加商工会議所(埼玉県)では平成18年度から、「草加ものづくり探検隊」事業を実施している。小学3年生以上の児童とその保護者を対象に、地域の製造業事業所を訪問するもので、「地域製造業への理解促進」、「草加のものづくりに関わる人材育成」、「製造業事業所を外部に紹介し、将来の『観光産業』に生かす」という3つをテーマに開催している。
同市は、埼玉県有数の工業地域であり、住宅と工場が混在している場所が多い。そのため、住民に工場側の立場を理解してもらう必要がある。また、市内製造業への就業人口も年々減少しており、将来の市内製造業を担う人材の育成も視野に入れている。
事業所訪問では、レザークラフトや金属加工など工業分野の製造体験、ブルーベリーやニンジンなど農作物の収穫体験を実施。事業開始当時は参加者97人、訪問事業所9社であったが、平成26年度は参加者380人、訪問事業所17社にまで成長した。昨年度は募集人数を約100人も上回る応募があるほどで、参加児童からは、「将来自分でやってみたい」との感想が寄せられている。
同所は、「今年度からは、新たに大人向けのコースも設定した。幅広い世代に向けての理解とPRを図っていきたい」と話している。
最新号を紙面で読める!