少子高齢化が急速に進む中、若年者を取り巻く雇用環境も厳しさを増している。日本の将来を担う人材を育成すべく、教育支援や協力活動などキャリア教育を活発に行い、顕著な功績を挙げている好事例を紹介する。
瀬戸商工会議所(愛知県)は平成17年度から、キャリア教育事業に着手。同年、経産省の「地域自律・民間活用型キャリアプロジェクト」のモデル地域の一つとして、瀬戸市が選出されたことがきっかけだ。3年間のプロジェクト終了後も引き続き同所が中心となり、地域一丸となって事業推進に取り組んでいる。
同事業は、「瀬戸の子どもは瀬戸で育てる」をテーマに、地域の子どもたちに地域産業を知ってもらい、仕事の大切さを学んでもらおうと、中学生の職場体験からスタート。事業を円滑に進めるため、専門のコーディネータを配置した。学校と職場体験先の事業所との連絡・調整をコーディネーターが担当し、教員の負担を軽減。学生への教育支援が円滑に行われるように工夫した。
また、中学1、2年生は職業体験の前に、仕事に関する講座を、3年生には自己PRを学ぶ「コミュニケーション講座」を開催。発達段階に合った体系的なキャリア教育を実施している。さらに、小学生にも地域の大人たちが講師を務める「体験型ワークショップ」を開催。仕事や地域とのつながりを創出している。
同事業は、第1回キャリア教育推進連携表彰優秀賞、第5回キャリア教育アワード中小企業第2部(協働の部)優秀賞を受賞。同所では、今後も学校と地域社会を結び付ける教育を推進していく。
最新号を紙面で読める!