福井県勝山市は石川県と隣接する奥越地域に位置する人口2万4千人足らずの山あいの小さな都市です。かつては煙草産業そして織物産業で栄えました。現在も繊維産業を中心に製造業が頑張っています。最近では、「福井県立恐竜博物館」がある場所として全国に知られ、年間90万人以上の来訪者があります。また、白山信仰の拠点であり中世の宗教都市でもあった「白山平泉寺」がパワースポットとして人気を集めています。
わが社は明治43(1910)年に絹羽二重織物業として創業し、繊維の世界で100年余りの歴史を刻んできました。時代と共に素材も絹から人絹(レーヨン)そして合繊(ポリエステル・ナイロン)へと変わりました。また、輸出中心のビジネスであったことから、グローバリゼーション、そして為替の大きな変動のなかで苦労を乗り越え事業を続けています。
そのわが社の100周年記念誌のタイトルは「ゴール無限」です。私が敬愛するメキシコオリンピックのマラソン銀メダリスト・君原健二氏からいただいた言葉です。君原さんには当市で開催の「恐竜クロカンマラソン」にゲストランナーとして毎年参加していただいています。私自身、趣味として40年近く走り続け、20回余りのフルマラソンを経験していることから、走る仲間としてのご縁からこの言葉をいただきました。「ゴール無限」とは苦しくなったとき、次の電柱まで頑張ろう、そしてまた次の電柱まで……と継続していけば、必ずゴールが近づくということで、あきらめない気持ちや目標設定の大切さを表しています。人生でも仕事でも大事にしたい言葉です。
勝山商工会議所では観光の産業化を大きな課題としてきました。前述の恐竜博物館には大勢の来館者があるものの、まちなかの活性化につながっていない現実がありました。そこで、当所が中心となり、「勝山市観光まちづくり株式会社」を設立しました。県や市の協力を得てまちなかの旧料亭を改修し、食と祭りの拠点として本年4月から運営を開始したところです。当市には「勝山左義長まつり」(2月の最終土日開催)という誇るべき祭りがあります。その祭りの魅力を知ってもらうとともに、郷土料理を楽しんでいただくため、ここを拠点に情報発信していきます。観光というサービス業を根付かせるのはまさにカルチャーを変える一大事業です。全力投球で頑張っていきます。
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