経済産業省と公正取引委員会はこのほど、今年10月に予定されている消費税率引き上げに向けて、消費税の円滑かつ適正な転嫁が行われるよう消費税転嫁対策特別措置法の順守を求める要請文書を、約20万事業者に対して連名で発出した。要請文書では、転嫁拒否などの行為(商品・役務の対価の減額、商品・役務の対価の買いたたき、商品購入・役務利用の要請など)について説明した上で、政府として違反行為の監視・取り締りを厳正に行っていく旨を明らかにし、事業者に対しこうした行為を行うことのないよう、理解・徹底を求めている。
公正取引委員会と中小企業庁は消費税の転嫁拒否などの行為に対して調査や指導、また、公正取引委員会は、消費税の円滑かつ適正な転嫁を阻害する重大な事実があると認める場合などには、特定事業者に対して勧告を行い、その旨を公表している。このほか、政府共通の窓口として内閣府に消費税価格転嫁等総合相談センターを設け、消費税の転嫁拒否などの行為を受けた事業者からの相談を受け付けるとともに、公正取引委員会や中小企業庁のほか各省庁においても事業者からの相談を受け付けている。加えて、書面調査を行うなど、積極的に情報収集を行っている。
2014年4月に行われた消費税率5%から8%への引き上げに係る転嫁拒否などの行為について、公正取引委員会と中小企業庁は13年10月から19年3月までに、4662件の指導、48件の勧告・公表を行っている。今回の引き上げに当たっても、消費税の転嫁拒否などの行為を行うことがないよう、現場担当者に限らず会社全体に周知徹底を図るとともに、担当役員などの責任者に指導・監督に当たらせるなど、会社全体で適切な措置を講じるよう要請している。
詳細はhttps://www.meti.go.jp/press/2019/06/20190627005/20190627005.htmlを参照
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