日本商工会議所は7月15日、「夏季政策懇談会」を都内で開催した。懇談会には、三村明夫会頭はじめ、副会頭、特別顧問、常議員、委員会正副委員長ら約190人が出席し、重要政策課題に対する商工会議所の対応、地方創生に向けた商工会議所活動の在り方などをテーマに集中討議を実施。消費税の複数税率導入反対や地方版総合戦略の策定に商工会議所が主体的に関与していくことなどを改めて確認した。
会合の冒頭、あいさつに立った三村会頭は、日本が「人口減少」と「地方の疲弊」という構造的な問題を抱えていると指摘。「経済に活力がなければ、構造的な課題には取り組めない」と述べ、デフレ脱却が視野に入りつつある今こそ、少子化対策や地方創生に注力すべきとの考えを示した。
第1部では、「重要政策課題における商工会議所の対応」について討議。消費税の複数税率や社会保障制度改革などについて、商工会議所の考え方を説明し、共有化を図った。
引き続き、地方創生への取り組みについて意見交換を実施。地方版総合戦略の策定については、「取り組みの実効性を確保するため、商工会議所が素案の段階から加わることが必要」「地域再生と中小企業の活力強化を表裏一体で進めるためには商工会議所の役割が最も重要」など、商工会議所がリーダーシップを持って、主体的に取り組むことが不可欠であるとの意見が相次いだ。
労働力不足・少子化対策については、「女性が安心して子どもを産める環境を整備すべき」「地元で就職する意識が生まれるような教育が必要ではないか」といった声が上がった。また、経済好循環の原動力である中小企業の活力強化については、大学や金融機関との連携、規制改革による企業の活性化などについて意見が出された。
第2部では、地方創生に向けた商工会議所活動の在り方に関して、具体的な活動を展開していくための課題とその対応などについて、3グループに分かれて先進事例の発表と意見交換を実施した。事例発表では、大曲(秋田県)・佐々木繁治会頭、七尾(石川県)・大林重治会頭、長野・北村正博会頭、日立(茨城県)・秋山光伯会頭、宇部(山口県)・安部研一会頭、宮崎・米良充典会頭から、戦略策定、創業支援、観光振興、販路開拓などの取り組みを紹介。参加者からは、「農業の6次産業化に注力すべき」「官民一体となって事業に取り組むべき」「広域連携による事業推進」などの意見が多数寄せられた。
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