女性消費者の視点と高い開発技術で人々に「本当に豊かで幸せな生活」を
株式会社ウエルシーライフラボ 代表取締役 佐藤 香苗
安心・安全な無添加化粧品や、地域の特産品を原材料とする化粧品などを開発
手づくりの無添加化粧水が口コミで大反響
全ての始まりは9年以上前のこと。出産を機に敏感肌がさらに悪化した私は、肌に優しいとされる無添加化粧品ですら刺激を感じるようになっていました。調べてみると、無添加と掲げてはいても、常温保存で腐らない市販の化粧品には〝隠れ防腐剤〟ともいうべき成分が配合され、それが刺激の原因となる可能性があったのです。そこで、大手化粧品会社の元研究員の助言を受けながら、独学で納豆から保湿成分を抽出。自家製化粧水をつくり始めました。
数年間の試行錯誤の結果、防腐剤などの肌に不要な成分を一切使わず、冷蔵保存して2週間で使い切る〝腐る化粧水〟が完成。私の肌の不調が改善したことから、この化粧水を家族や友人にも分けるうち、高い保湿力と使い心地が口コミで広がって、予想外の反響がありました。中でも、多くのアトピー性皮膚炎の方から届いた感謝の言葉と「同じ症状で苦しむ知人に紹介したい」という切実な手紙に、私は大きく心を動かされました。商品の保存性や流通という製造側の都合ではなく、あくまで使う人の視点に立った、本物の無添加化粧品を提供したい。そんな思いから商品化を決意しました。
消費者が2剤を混ぜる新たなスタイルを考案
しかし、どんなに品質が優れていても、商品化となると容易ではありません。苦労の末、化粧水を2剤に分けて製造し、消費者が使うときにそれらをブレンドして、その後は冷蔵保存してもらうというスタイルにたどり着きました。これなら既存の設備で製造でき、安価で安全に安定供給できます。
しかし、つくり手にとってはリスクも高く、製造を請け負ってくれる工場探しは難航。そんな中、幸運にも私の肌への考え方に共感し、「御社で化粧品製造業と販売業の2つの許可証を取得して、全責任を負ってくれるなら協力したい」という工場と出合えたのです。それを機に、平成25年5月に「株式会社ウエルシーライフラボ」を設立し、化粧品製造業・販売業の許可を取得。同年12月に待望の無添加化粧品「ベジリア ブレンドローション」の発売が実現しました。
地域貢献と震災復興も使命
当社の使命は、多くの人に豊かで幸せな生活を提供すること、そして、地元栃木県の発展、東日本大震災からの復興への貢献です。その一環として、地元産の「鹿沼土」を用いた化粧品「マカロンクレイ泡洗顔料」を開発し、土産品として販売。また、最近では「360度パノラマ事業」を立ち上げ、写真をつなぎ合わせて県内のスポットが仮想現実として体験できるパノラマバーチャルツアーやパノラマ動画制作など、栃木の魅力を世界に発信する業務も行っています。
これらの事業を通して企業価値を高め、地域経済や雇用に貢献したい。そんな目標に向かい、当社は今後も徹底した女性消費者視点と高い商品開発技術を武器に、ものづくりを追求していきます。
会社データ
社名:株式会社ウエルシーライフラボ
所在地:栃木県宇都宮市
創業:平成25年5月
事業概要:化粧品製造、販売業(化粧品の開発、製造、販売、ODM、それに関わるコンサルタント事業)
※月刊石垣2015年4月号に掲載された記事です。
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