三重県鳥羽市は真珠王と呼ばれる御木本幸吉が世界で初めて真珠の養殖に成功した地です。その幸吉が、日本の養殖真珠を世界に紹介し、民間外交の一端を担うために設立したのが、「御木本真珠島」です。島内には、真珠のできる仕組みを紹介する展示や天然真珠のアンティークジュエリー、養殖真珠のクラシックジュエリーなどが見学できる真珠博物館、パールジュエリーを販売するパールプラザがあります。また、海女の素潜り作業が見学できる海女の実演も1年中開催されています。
この島は元々、幸吉が海外のお客様をお迎えするもてなしの場として誕生し、世界の王室や各国の首脳などの外国の要人を迎え入れてきました。鳥羽の国際的価値を高めるための重要な施設であると自負しています。〝笑顔〟は万国共通のおもてなしであると考え、職員にはキープスマイルを徹底して伝えています。特に外国人観光客をもてなす際には日本代表としての意識を持ってもらいたいと思っています。真珠は自然と共存しながら人が手間をかけてつくられるもの。ダイヤとは違う〝やさしい美しさ〟があります。お客様に真珠の本当のよさを理解して満足していただけるサービスを提供することがブランドの維持、顧客満足につながっていくと考えています。
当市は、伊勢神宮の参拝客の宿泊地として、また、美しい海岸線や島並みの景観や歴史文化、豊かな海の幸、日本国内で最も多くの海女が暮らすまち(海女文化)などの魅力があり、多くのお客様がいらっしゃいます。会員企業の多くも観光関係の企業であり、地域産業をサポートする団体として、鳥羽商工会議所は地域に残る歴史や文化を生かした地域づくりと産業振興に取り組んでいます。
また、外国人観光客誘致にも積極的に取り組んでいます。近隣の自治体も参画する伊勢鳥羽志摩インバウンド協議会を立ち上げてから10年がたちました。昨年は、中部国際空港と連携した台湾市場向け商品造成、香港市場においては、中部圏が一体となる昇龍道プロジェクトとして、鳥羽の冬の特産物「カキ」食べ放題を含むツアーが41本催行され、1089人の香港のお客様をお迎えすることができました。
今後も国内外のお客様をお迎えする「国際観光文化都市」の名にふさわしい国際競争力のある観光まちづくりと外国人観光客誘致の取り組みを推進していきます。
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