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「下町育ちの再建王」の経営指南 “コロナの時代”に考え直すこと

‶コロナの時代〟、という新たな局面に、私たちは突然投げ込まれました。

多くの人が想定したことのない、このような状況の中でも、経営者は先を見据え、組織の安定を考え続けなければなりません。やらないといけないことは山積していると思いますが、経営者にしかできない非常に重要な仕事があります。それはあなたの組織の、ビジョン・目的・価値観を、深く細かく考え直し、あらためて社員に伝えることです。

まずビジョンとは何か、「あなたの会社のビジョンとは?」と尋ねられて「What」が答えられるでしょうか? 自分自身と組織は何を目指し、どんな基準でそこに向かって進んで行くのかを明確にすることが、ビジョンです。現実の自分と組織の在り方を真っすぐに見据え、常に今の方向性はビジョンに合っているのかどうか、見直す必要があります。もちろん、これまでのままでもよいのです。ただ、さまざまな価値観が変わったとき、今のままのビジョンでいいのか、自ら問い直すことが重要です。

次に組織の目的は何か、「なぜそれを目指すのか?」という「Why」に答えられるでしょうか? 目的とは、事業の内容ではなく、組織の存在意義のことであり、「何のために会社は存在しているのか?」という問いです。組織の創業者やトップの考える『真の使命』がこれに当たります。仕事の目的が何であるか、なぜこの仕事を存続させたいのか、考えてみてください。

最後に「How」、価値観とは何か? 価値観とは、目的を達成する過程で、どう行動していくべきかのガイドラインのことです。「何を基準にして決断し、どのように生きていくのか?」という指針こそが価値観で、行動を伴うものなので、その内容を具体的、明快に示さない限り、世代や経験が異なり常識が違う社員たちはどう行動をして良いかわかりません。社員がトップの思いとは異なる行動をとったとしたら、社内の価値観の統一がなされていないということです。社員一人一人の価値観を組織の価値観と一致させる努力を続けることが、組織づくり(理念経営)ということなのです。

以上の三つを考え直し、きっちりと伝えて経営にあたらなければいけないときです。

「わかってくれているはずだ」、は通用しません。伝えていると思っていても、実際は何気なく言葉にしていることが多いものです。人に伝えたのが情報ではなく、相手に伝わって理解されて、初めて情報なのです。

これまで以上に社員はトップの言葉を求めています。先行きがわからず、心細いのです。だからこそ、組織の根幹を文字や言葉で伝えることで、社員の心をまとめていただきたいのです。

小山 政彦(こやま・まさひこ) 株式会社 風土 代表取締役会長 (前 船井総合研究所 代表取締役会長) 1947年、東京生まれ。開成高校卒。早稲田大学理工学部数学科卒業後、実家のディスカウントストア経営に携わる。84年、船井総合研究所に入社。6年後には売り上げ3億円のNo.1コンサルタントになる。2000年の社長就任後は大証2部から東証1部上場、離職率20%台を6%までに改善、賞与支給No.1企業など経営者としても手腕を振るう。10年には代表取締役会長に就任。13年3月をもって退任し、現在は㈱風土代表取締役会長を務める。著書に『ベタ惚れさせるマネージメント』(講談社)、『9割の会社は人材育成で決まる!』(中経出版)など多数

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社名:株式会社 風土

TEL:03-5423-2323

担当:髙橋

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