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こんなときどうする会社の法律Q&A 【今月のテーマ】社内からのテレワーク導入提案への対応(下)

Q テレワークの導入にあたり、助成金が活用できるとのことですが、どのようなものがありますか。また、導入時に留意すべき点について教えてください。

A 機器の導入をはじめ、テレワーク勤務に関する規定の整備、研修、専門家による支援など、導入には費用がかかりますが、国や自治体による助成が充実しています。社員の働き方を見直す取り組みですから、経営者が主導して、実施の効果を確かめながら、段階的に浸透させていくのがよいでしょう。テレワークに関する専門の相談機関もあるのでぜひ活用してみてください。

テレワークについての相談はhttps://japan-telework.or.jp/tw_about-2/sodan/を参照

テレワーク関連助成金の活用

国や自治体もテレワークの導入費用を助成する形で企業の取り組みを支援しています。対象事業者の条件、働き方改革、事業継続対策など、適用条件、助成対象の範囲、助成率や上限額もさまざまですので、支援事業の期間内にテレワークに取り組むこと、自社の取り組みに応じた助成を選ぶことがポイントです。

1.助成金の種類

①厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」

テレワーク用の機器の導入や外部のコンサルティング費用が対象。

目標を設定しその達成状況に応じて支給額を決定。助成率は1/2~3/4(上限300万円)

②経済産業省「IT導入補助金」

自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費が対象。補助率は3/4以下(類型により上限450万円)

③総務省「ふるさとテレワーク」

地方自治体等が行う都市部の仕事を行うサテライトオフィスなどのテレワーク環境整備を支援。(上限3000万円)

また、これらのほかに、各自治体でも助成金の制度を設けています。東京都の場合は、テレワークの導入を検討している企業に向けて、トライアルのための費用を補助する「はじめてのテレワーク」や、テレワーク導入に必要な機器やソフトウェアなどの経費を助成する「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」などがあります。

2.活用上の留意点

①支給対象となる取り組みの選定

テレワーク用通信機器の導入・運用、就業規則・労使協定、テレワーク勤務に関する規定の作成、整備などさまざまです。パソコンなどの購入費用は対象とならない助成もあるので注意してください。

②対象要件に合った事前準備

対象者を決めて取り組み、結果報告が必要な時間外労働等改善助成金のように、助成金によって細かな要件があるので支給要領などでしっかり確認し準備します。

経営者主導で段階的な運用を

テレワークを推進していくためには、在宅勤務やモバイルワークなどの社外勤務者と出勤する社員との間で適切なコミュニケーションがとれるよう、業務の進め方にも配慮が必要です。このため、経営者が適切な方針を打ち出し、多様な働き方を認める風土を醸成することが重要となってきます。

まずは「対象者」「対象業務」を絞り込み、できることから試行してみることが大事です。実際に実施してみると、想定していなかったような課題点も見えてきます。テレワークを実施した対象者の声も生かしながら少しずつ範囲を広げ、自社に合った多様な働き方を形にしていくのが望ましい進め方といえるでしょう。

また、厚生労働省の委託を受け、一般社団法人日本テレワーク協会内に設置されたテレワーク相談センター(上記のQRコードを参照)など、テレワークに関する専門の相談員が在宅勤務やモバイルワークなどのテレワークの導入に関するさまざまな相談に無償で対応してくれる機関があります。導入時の労務管理や労働時間管理に関すること、必要な機器の導入なども気軽に相談することができます。こうした相談機関をぜひ活用してみてください。

(5月22日現在の情報を元に執筆しています)

(中小企業診断士 竹内敏則)

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