茨城県南部の中央に位置する土浦市は、江戸時代に交通と産業により基礎が築かれ、発展を遂げたまちです。水戸に次ぐ常陸国第二の都市として繁栄しました。
大正14(1925)年から始まった土浦全国花火競技大会は、全国屈指の規模で、内閣総理大臣賞を目指し、全国の煙火師たちが日本一の技術を競います。また、全国2位の面積を誇る淡水湖「霞ヶ浦」では、かつて大きな一枚帆で風を捉えて進む帆曳船による曳網漁が行われていました。現在は、観光用として夏から秋にかけて運航されています。その霞ヶ浦沿岸から筑波山への日本最長のサイクリングロードは、多くのサイクリストでにぎわっています。さらに、周辺でのレンコン生産量は日本一です。
弊社は大正9(1920)年に当市で創業し、まもなく100周年を迎えます。社名にもなっているヒューム管は一般には馴染(なじ)みがないかもしれませんが、1910年にオーストラリア人のヒューム兄弟によって発明された遠心力鉄筋コンクリート管のことです。灌漑(かんがい)用水や下水道に用いられ、最近では、ゲリラ豪雨などの浸水被害対策として、雨水の貯留管としても使われています。ここ30年間で全国に布設されたヒューム管の総延長距離は、地球2・1周分の8万4000㎞にもなり、地下で私たちの暮らしを支えています。
弊社はヒューム管やマンホールなどのコンクリート製品の製造販売と、その布設工事を行っており、ライフラインである下水道の構築・維持を担っています。最近では土圧式推進工法により、推進延長445mにわたる超大口径推進管(φ3500㎜)が宮城県石巻市で採用され、復興事業の一つとして沿岸部の雨水施設整備が着実に進捗(しんちょく)しています。
私は、1953年に当市で生まれ、その後、福島県郡山市や愛知県岡崎市で生活し、大学卒業後、弊社に入社しました。宮崎県の九州中川ヒューム管工業勤務を経て、89年に土浦に戻り、2003年に社長に就任。00年からは全国ヒューム管協会の会長も務めており、現在9期目です。
趣味は読書とマラソン。足首のけがからフルマラソンは遠のいていますが、弊社グループのスポーツクラブで水泳やジム、真向法などで体調管理に努めています。
座右の銘は“燈々無尽(とうとうむじん)”「先輩から受け継いだ松明(たいまつ)・燈籠(とうろう)の火を強く大きい炎にして引き継ぎたい」これはSDGsの精神にもつながるものだと思っています。
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