2016年は世界的な株価下落で幕開けとなった。今回の株価下落が意味するものは小さくはないだろう。ある意味では、今までの量的金融策によって供給された潤沢な流動性(マネー)を背景に、世界的に株式や不動産の価格が上昇傾向をたどってきた、〝宴(うたげ)〟の終焉(しゅうえん)が近いことを示唆するものと考えられる。
08年9月のリーマンショック以降、わが国や欧米諸国、さらには中国などの新興国も積極的な金融緩和策で未曽有のマネーを供給してきた。潤沢なマネーの一部は、投資資金となって株式市場や原油などのコモディティー市場に流れ込んだ。多額の投資資金の流入で世界の主要株式市場はいずれも上昇し、「買うから上がる。上がるから買う」という一種のミニバブルが形成された。それと同時に、投資資金は原油などのコモディティー市場にも流れ込んだ。しかし、そうした〝宴〟は永久に続くことはない。
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