日本商工会議所はこのほど、1月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果と共に、2017年度の新卒採用(2018年4月入社)の動向についてヒアリングした結果を発表した。2017年度の新卒採用について、「実施した」と回答した企業は34・4%と2017年1月調査に比べ6・2ポイント減少した。
建設業で募集に苦慮
新卒採用を実施したと回答した企業の充足状況は、「計画通りに採用できた」が36・6%と2017年1月調査に比べ、0・9ポイント減少した。「採用できたが計画した人数には満たなかった(継続中含む)」は47・7%と11・2ポイント増加。また、「募集したが採用できなかった(継続中含む)」は10・3ポイント減少し15・7%となり、計画通り採用できなかった企業の合計は63・4%となった。
採用を実施したが採用人数が計画に満たなかった(採用できなかった)と回答した企業を業種別に見ると、建設業が68・9%で最多となった。次いで、卸売業の64・8%、製造業の63・9%、小売業の60・4%といずれも6割を超えた。
ヒアリングした企業からは、「新卒者を計画通りに採用できた。売り上げ・採算ともに改善しており、さらなる生産性向上に向けて外部講師を招へいし人材育成に力を入れている」(金型製造)、「新卒者の採用を内定したが、入社前に内定を辞退されてしまい、計画した人数に達していない。足元の売り上げは増加しており、人手不足の影響拡大が懸念される」(ソフトウエア)、「新卒者採用のため募集をしているが、建設業へのイメージが低いためか、応募すらない状況」(土木・一般工事)といった声が聞かれた。
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