富士商工会議所(静岡県)はこのほど、近年、人気が高まっている「工場夜景」を通じた着地型観光事業の構築などを目指し、市内各所から楽しむことができる美しい夜景を紹介する専用サイトを開設した。同所など関係機関が連携して設立した「富士工場夜景事業推進協議会」の活動の一環で、サイトでは、地元の写真愛好家らが撮影したさまざまな角度からの魅力ある画像を多数掲載。地域の新たな魅力を発信するとともに、誘客につなげることを目指す。
富士市は昨年10月、工場夜景で地域活性化を図っている6地域が連携して運営する「全国工場夜景サミット」の7番目の都市として加入が決定。今月22日に実施する「第6回全国工場夜景サミットin尼崎」から正式に参加する。サミットに参加している室蘭(北海道)、川崎(神奈川)、四日市(三重県)、尼崎(兵庫県)、徳山・新南陽(山口県周南市)、北九州(福岡県)の6地域で、商工会議所や市など関係諸機関が緊密に連携していることなどを参考に協議会を創設。平成27、28年の2年間限定で各種プロモーションを積極展開し、観光関連の幅広い民間事業者の参入を促す。
富士山をバックに工場夜景が楽しめるスポットが市内に数多くある立地を生かした着地型観光には期待も大きい。一昨年に実施したモニターツアーには県内外から約60人が参加。古くから栄えた製紙業だけでなく、輸送機械、化学、食料品など幅広い業種が数多く立地するユニークな夜景は、多くの参加者から絶賛された。同所では2月6日に、初心者向けの写真講座付き「カメラ女子バスツアー」も開催予定。新たなファン獲得に意欲を見せる。また、来年度の「第7回全国工場夜景サミット」の開催地としても内定しており、今後、先進6地域と交流を深めながら、「富士ならではの工場夜景」を国内外に広くアピールしていく。
同所は、「富士市は富士山からの湧水の恵みを受け、全国有数の〝紙のまち〟として発展を遂げてきた。さらに、田子の浦港の開港によってさまざまな業種の工場が立地し、地域経済を支えている。この産業の象徴と四季折々の情景の融合を、多くの人に味わっていただきたい。協議会の活動で着地型観光の可能性を広げ、民間の動きを後押ししたい」と意気込んでいる。
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