各地商工会議所を通じて集まった逸品を、週替わりで東京・秋葉原の食のテーマパーク「日本百貨店しょくひんかん」で販売する「地域うまいもんマルシェ」が開催中だ。店舗で販売された人気商品の「こだわり」に迫る。
伊丹商工会議所(兵庫県)は、「清酒発祥の地」といわれる伊丹ならではの歴史ある酒蔵の清酒と、酒かすを使った加工食品などを出品した。
清酒発祥の地とは、文禄・慶長年間(1592~1614年)に、それまでの「どぶろく」といわれた濁り酒から、透明な清酒をつくり出し、大量生産の技術を確立したという歴史に由来する。これにより、伊丹の酒は船で大量に江戸へ送られ、人気を博したという。
天文19(1550)年から続く老舗で「白雪」ブランドで知られる小西酒造は、「ハレの日に飲みたいお酒」として純米酒「赤富士」を販売。また、伊丹老松酒造は、江戸時代に幕府の官用酒となり「御免酒」と称された「老松」と、油揚げやタマネギなど伊丹産の食材に国産牛すじ肉と酒かすを加えて煮込んだレトルトカレー「伊丹酒かすカレー」、吟醸酒かすを使ったフリーズドライの粕汁などをそろえた。他にも地元メーカーによる豆乳ドレッシングやソースせんべいなどが並んだ。
同所は、「海や山がない伊丹は地場産品が少ないが、酒づくりには歴史と伝統がある。歴史や地元産の材料にこだわった産品をアピールし、地域活性化につなげたい」と話している。現在、若い人に地元の酒に親しんでもらうため、「乾杯は【伊丹の酒】で!」運動も実施中だ。
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