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最低賃金改定目安額 全国平均18円引き上げ 中小企業への影響懸念

各都道府県に適用される目安の引き上げ額

中央最低賃金審議会は7月30日、平成27年度の地域別最低賃金の改定額の目安について、労働者の最低賃金(時給換算)を全国加重平均で18円引き上げる答申を塩崎恭久厚生労働大臣に答申した。塩崎大臣は、翌日の記者会見で中小・小規模事業者への重点支援を表明。生産性向上などの施策拡充に意欲を示した。(2面参照)

最終的な地域別の最低賃金は、都道府県ごとに設置されている地方最低賃金審議会で審議が行われ、決定されるが、目安通りになった場合の最低賃金は全国平均で798円。現在の最低賃金が最も高い東京都などではプラス19円の目安額が示され、最も低い沖縄県、鳥取県、高知県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県などはプラス16円となっている。

7月28日から翌29日にかけて開催された目安に関する小委員会(中央最低賃金審議会の下部組織)では、労使双方の主張には大きな隔たりがあったことから、最終的には、公益委員による見解が示されることとなり、その見解が審議会の答申となった。

同小委員会では、非現実的な引き上げ幅を求める労働者側委員に対し、使用者側委員は、「円安による原材料価格の高騰や電力料金の増大などによるコスト増、人手不足による人件費増、取引先企業の海外進出による受注減少、地域における人口減少」など中小企業・小規模事業者を取り巻く厳しい経営環境を説明。本来、生産性向上とセットで考えるべき最低賃金について、中小企業の支払い能力を超えた大幅かつ急激な引き上げを生産性と関係なく決めることによる地域の雇用・経済に深刻な悪影響を与えることへの懸念を表明した。

塩崎大臣は、記者会見で、「最低賃金の大幅な引上げが可能となるよう、中小・小規模事業者の環境整備、サービス産業の生産性向上などに全力を挙げていかなければならない」と表明。厚労省として、人材力の強化など生産性向上のための環境整備に万全を期す考えを示している。