政府はこのほど、2015年版「ものづくり白書(ものづくり基盤技術の振興施策)」を閣議決定し、公表した。白書は、「わが国ものづくり産業が直面する課題と展望」「良質な雇用を支えるものづくり人材の確保と育成」「ものづくりの基盤を支える教育・研究開発」の3章構成。近年の円安で国内に生産拠点を戻す企業が増えていることなどを示し、「国内に残す」分野と「海外で稼ぐ」分野などのすみ分けの必要性を指摘している。
地域経済で重要な役割を担っている中堅・中小企業については、「多くの企業がグローバルニッチトップ(GNT)企業に成長し、海外市場で高い利益を上げていくことが期待される」と指摘。特に中堅企業に対して、人材確保・育成から、製品開発・生産、活躍する舞台の国際化まで、内閣官房を中心として、政府全体として支援施策のパッケージ化に取り組む考えを示している。
また、製造業の新たな展開に向けて、すべての「モノ」をデータ化し、インターネットにつなぐ「Internet of Things(IoT)」の推進を提言。具体的には、産学官で連携し、IoT時代のロボットで世界をリードし、ロボット革命を実現していくことなども打ち出した。
さらに、理工系人材の質的充実・量的確保に向けた取り組みも強化する。大学(工学系)、高等専門学校などでも、実践的な職業教育を通じたものづくり人材の育成を実施。女性研究者の活躍を促すことなども盛り込んだ。
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