内閣府は1月9日、首相官邸で、今年度初めて創設された「女性が輝く先進企業表彰」の表彰式を行った。最優秀賞である内閣総理大臣賞に2社、内閣府特命担当大臣賞には5社が選定されている。
同事業は、「女性が輝く社会」の実現に向け、女性が活躍できる職場環境の整備を推進しようと、役員・管理職への女性登用に関して顕著な功績があった企業を同府が表彰するもの。女性の登用に関する方針や取り組み、実績のほか、それらの情報開示に優れた先進的な企業を対象としている。
今回の表彰では、日本商工会議所推薦の北九州商工会議所(福岡県)会員企業「有限会社ゼムケンサービス」が内閣府特命担当大臣賞を受賞し、注目を集めている。同社は、平成26年度の「ダイバーシティ経営企業100選」で表彰されるなど、女性の登用やワーク・ライフ・バランスの推進で知られる総合建設会社だ。従来では女性の活躍が少なかった建設業界で、女性の視点を積極的に打ち出した「女性建築デザインチーム(JKDT)」を結成。同チームは、マーケティングからデザイン、建築、施工まで、女性の立場や気持ちに寄り添ったきめ細かなサービスを行うプロの建築デザイン集団であり、その活躍が、他社との大きな差別化につながっている。
同社の籠田淳子代表取締役は「このチームは、当社の企業姿勢を具現化したもの。女性には、母・娘・妻・私・女・仕事という6つの視点がある。住宅に関しても、そのときどきの立場で使い勝手を考えるため、施工する側にもそれを踏まえたアプローチが必要。プランづくりやコミュニケーション、商品説明など全ての工程において、そうした女性の視点を大切にしている」と話す。同チームの導入は、受注物件のほぼ全てが相見積もりではなく特命の受注という、好業績に直結している。また、全国の女性を活用する建設企業が会員となり、企業の枠を越えて女性一級建築士や女性デザイナーの研修・登録などを行う「一般社団法人JKDT(女性建築デザインチーム)」の設立にも発展しつつある。
同社は、女性が働きやすくなるワークシェアリングなどの取り組みも推進するほか、籠田代表取締役自ら、女性登用に関する積極的な対外発信を行っており、そうした一連の取り組みが今回評価された。
詳細は、http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201501/09josei.htmlを参照。
内閣総理大臣賞
・株式会社セブン&アイ・ホールディングス(東京都)
・株式会社北都銀行(秋田県)
内閣府特命担当大臣賞
・カルビー株式会社(東京都)
・株式会社資生堂(東京都)
・有限会社ゼムケンサービス(福岡県)
・日産自動車株式会社(神奈川県)
・株式会社LIXILグループ(東京都)
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