日本商工会議所は6月30日、商工会議所LOBO(早期景気観測)の6月調査結果を発表した。6月の全産業合計の業況DIは、5月から3・0ポイント好転してマイナス62・8となった。
調査結果では、緊急事態宣言の解除を受け、営業を再開した小売業・飲食業で客足が戻りつつあるほか、中断していた公共工事に再開の動きが出始めるなど、一部で下げ止まりの兆しが見られる。
一方で、依然として遠出を避ける消費者が多く、宿泊業をはじめとする観光関連では低調な動きが続く。また、製造業では、取引先の過剰在庫や生産調整に伴う受注減に加え、緊急事態宣言下の営業自粛によるビジネスチャンスの喪失など、前月に増して悪影響が拡大しているとの指摘も多く聞かれている。中小企業の景況感は持ち直しの兆しは見られるものの、厳しい状況が続く。
先行き見通しDIは、6月から5・1ポイント好転のマイナス57・7だった。緊急経済対策の政策効果や消費者における自粛の緩和を背景に、夏季商戦や観光需要の拡大などへの期待感がうかがえる。一方、新型コロナウイルスの第2波・第3波への警戒感がある中、新たな生活様式に対応したビジネスモデルへの転換に迫られる企業や、サプライチェーン・生産活動への影響拡大を懸念する企業も多く、先行きに対し依然として慎重な見方が続いている。
調査期間は6月15~19日。全国335商工会議所職員による調査票配布・回収により、会員企業2117社から回答を得た。
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