文化庁はこのほど、地域の魅力ある有形・無形の文化財群を認定する「日本遺産」に、水戸商工会議所(茨城県)・足利商工会議所(栃木県)・備前商工会議所(岡山県)・日田商工会議所(大分県)が市などと協力・推進してきた「近世日本の教育遺産群」など18件を選定し、発表した。日本遺産は今年から認定を始めた制度で、認定申請を行うに当たり、4つの商工会議所は互いの地元でシンポジウムを開催するなど積極的に周知活動を行ってきた。
今回認定された「近世日本の教育遺産群」の旧弘道館(水戸市)・足利学校跡(足利市)・旧閑谷学校(備前市)・咸宜園跡(日田市)は、近代以前のわが国の高い教育水準を示し、「学ぶ心」「礼節」を重んじる国民性の源となっている点などが評価され、認定の運びとなった。
認定を受け、和田祐之介会頭(水戸商工会議所)は「日本遺産に選ばれたことで、さらに水戸の名が知れ渡ることになる。外国人観光客の増加や小説『光圀伝』のテレビドラマ化にもつながるといい」、早川慶治郎会頭(足利商工会議所)は、「世界遺産登録に向け大きな弾み。4市の連携をさらに深め発信力を強化したい」、長崎信行会頭(備前商工会議所)は、「備前エリアにとって久々の明るい話題で、観光振興や地域経済の刺激になる。世界遺産登録にも弾みが付く」、髙山英彦会頭(日田商工会議所)は、「観光資源としての遺産活用に経済界も期待は大きい」と話している。
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