日本の美でもてなす豪華便器
栃木県宇都宮市で約80年続く住宅設備機器卸会社、株式会社さかもと。同社が日本の伝統色で訪日外国人をもてなそうと企画・発売した全面着色の便器「BIDOCORO(ビドコロ)」が、今話題を呼んでいる。
「トイレを美しくきれいに保つ」という日本人特有の美意識。その昔、日本には便器に装飾を施す文化があったという。この「BIDOCORO」シリーズは「朱赤(しゅあか)」「群青」「漆黒」の3色を使用し、無地単色の「草(そう)」、金粉蒔絵(まきえ)風デジタル写し装飾の「行(ぎょう)」、朱赤と漆黒でふたを漆塗りで仕上げる「真(しん)」という3種類の便器が並ぶ。金粉蒔絵や漆仕上げなどの高級感あふれる装飾は、全て手作業で一つ一つ丁寧に行う。特に「真」の給水ホースには、同市内の福祉施設入居者が心を込めて正絹で編み上げた江戸組みひもを施すなど粋な計らいも見られる。このように「BIDOCORO」には、地元栃木の企業や学校が、塗装をはじめ、漆工芸、蒔絵デザインなどの面で技と知恵を提供している。さらに壁や照明などへの装飾も行われ、トイレ空間に一体感を演出している。既に訪日外国人の利用が多いホテルや旅館、飲食店などが注目し、一部のホテルなどで導入されていることから、今後、同社では展示会への出展や内覧会の開催に注力していく予定だ。
普段何気なく出入りする空間であるからこそ、日本の美を感じながらすてきな“ひととき”を過ごしてみていかがだろうか。
「草」(33万円)、「行」(55万円)、「真」(77万円)、いずれも税別。
お問い合わせ
さかもと(宇都宮商工会議所)
所在地:栃木県宇都宮市問屋町3172番地55
電話:028-656-3188
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