政府は11月17日、「未来投資会議」の第12回会合を首相官邸で開催し、生産性革命について議論した。会議に出席した日本商工会議所の三村明夫会頭は、「中小企業の中にも大企業より生産性の高い企業が存在する。これらの企業では、設備投資やIT投資による経営革新に積極的であるという傾向が見られる。そこに生産性向上の鍵があると思っている」と述べ、こうした企業を大きく増やしていく政策を推進するよう政府に要請した。
三村会頭は、生産性向上に効果があるにも関わらず、IT投資を行わない理由として、ITを導入できる人材がいない、導入効果が分からない、コストが高いといった点を指摘。「今や安価で使いやすいツールが多数開発されている。経営者にまずは気付きを与え、これらの活用を促す身近な支援機関が必要」と述べ、支援機関におけるIT導入を支援する人材の育成・確保の強化と、「IT導入補助金」の拡充・継続を要望した。
また、中小企業の事業承継について、過去5年間で40万社減った中小企業の大部分は後継者不足などによる廃業だが、廃業した企業の半数は黒字企業である点を強調。円滑な事業承継に向け、「従来の延長線上の見直しではなく、誰もが使いたいと思い、結果として、利用件数が現在の10倍程度になるような、魅力的な制度への抜本的な見直しをぜひともお願いしたい」と述べた。
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