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コラム石垣 2019年3月11日号 中村恒夫

働き方改革の中では、女性労働力の活用につながる方策を導入することが重要だ。とりわけ、子育て中の女性を意識した対応が求められる。自宅やサテライトオフィスを生かしたテレワークの拡大もその一つだ。一方で、顧客と直接向き合う営業職などテレワークにはなじみにくい業務もあろう。その場合、勤務時間の短縮が主な対策になるが、結果的に他のスタッフの負担増になったり、新たなスタッフを雇用したりしなければならないケースが少なくない。

▼「子育て支援に異論を唱える考えは毛頭ないが、人件費アップの要因になりやすい」と情報系中小企業の役員は苦しい胸の内を打ち明ける。「人手不足への対応策と並行して考えなくてはいけない」というのだ。有給休暇の年間5日以上取得義務付けをはじめ難題が山積している。

▼ただ、この変化はビジネスチャンスでもある。消費の実情に詳しいニッセイ基礎研究所の久我尚子主任研究員は「働く女性の時短につながる事業にはニーズがある」と提案する。子どもの塾通いを助ける送迎タクシーや高級な学童保育を例に挙げ、高いコストを払っても使いたいサービスがすでに広がっているという。また、ハイヒールのかかと直しなど、オフィスに出向き靴の出張修理を行う業者も人気だ。いずれも仕事が忙しい働く母親を支援するものだ。

▼有給休暇取得の義務化を前提として、取得した人に副収入となる仕事を提供することを検討している企業もある。特に、特定分野で専門知識がある労働者には「働く時間が短くても相応の需要がある」とこの企業の担当者は語る。負担の増加にばかり嘆くのではなく、ビジネス機会の芽があることに目を向ける柔軟さが必要だ。

(時事通信社常務取締役・中村恒夫)

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