大阪商工会議所は昨年12月、近年増加傾向にあるムスリム(イスラム教徒)観光客への接遇の基礎知識やポイントを掲載したガイドブックを発行。小売店や飲食店などに配布するほか、職員を派遣する「出前セミナー」を実施している。
ガイドブックでは、礼拝や食べ物の制限など、ムスリムを理解する上で欠かせない宗教的なルール・マナーを解説。訪日経験のあるムスリムの声を紹介しながら、具体的な対応策を挙げている。
例えば、ムスリムにとって豚肉は厳禁だが、ハムやベーコン類を使った料理、ゼラチン、豚骨スープ、一部の食品添加物なども該当するため、注意書きが必要だ。偶像崇拝につながる人形、不浄な動物とされる犬の絵が入った土産物も、勧めるべきではないという。
これらの事業は、同所が推進する「旅游(りょゆう)都市化推進プロジェクト」のアクションプログラム「インバウンドによる買い物消費拡大」事業の一環。これまでにも、中国人観光客をテーマにガイドブックや映像集、会話をサポートする指差しシートを配布し、好評を博している。
同所は、「好調な経済成長と訪日ビザの要件緩和から、ムスリム観光客の訪日は確実に伸びている。この取り組みを商機につなげてほしい」と話している。なお、ガイドブックは同所ホームページにも掲載。
問い合わせは、同所(☎06・6944・6440)まで。
最新号を紙面で読める!