政府の経済財政諮問会議の下に設置された専門調査会・「選択する未来」委員会(会長・三村明夫日本商工会議所会頭)は5月15日、これまでの議論の中間報告書として「未来への選択~人口急減・超高齢化社会を超えて、日本発成長・発展モデルを構築」を取りまとめ、同諮問会議に提出した。「危機意識を共有し、50年後に1億人程度の安定した人口構造を保持することを目指す」ことなどを提言している。
報告書では、日本の人口は現状のまま何もしない場合には、現在の1億2730万人から2060年に8674万人まで減少するとの推計を提示。その場合の65歳以上の高齢化率は39・9%に達することから、労働力人口の減少、経済成長の鈍化、地域社会の縮小、社会保障や国・地方の財政の持続性の危機などの影響が出ると警鐘を鳴らす。
さらに、50年後に人口1億人を維持するためには、2030年までに合計特殊出生率が2・07に回復することが必要と指摘。抜本的な少子化対策の必要性を強調している。
また、若い世代や次の世代が豊かさを得て、結婚し、子どもを産み育てることが出来るよう集中して改革・変革することを提言。具体策として、資源配分を高齢者から子どもへシフトし、出産・子育て支援を倍増させることや、オープンな国づくりと外国人材の戦略的受入れ、男女の働き方改革、70歳まで働ける社会、集約・活性化によるコンパクトな都市圏域の形成、社会保障制度や財政の持続可能性の確保などが盛り込まれている。
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