神奈川県相模原市
船乗りに正確な地図と羅針盤が必要なように、地域づくりには客観的なデータが欠かせない。今回は、東京都町田市に隣接し、神奈川県で3番目の人口(72万人超)を誇る政令指定都市・相模原市について、まちの羅針盤(地域づくりの方向性)を検討したい。
生産年齢人口は減少へ
2015年国勢調査によれば、相模原市の就業・通学者(15歳以上)の24・6%が東京都に通勤・通学する「神奈川都民」であり、当市に落ちる雇用者所得1兆489億円の5割超(5740億円)が域外から流入している。
新宿から電車で40分という交通の便を背景にベッドタウンとして確固たる地位を築き、ここ10年間(10↓20年)でも総人口は71↓72万人(いずれも1月1日現在)と増加している。ただ、「生産年齢人口」はというと、同期間で48・2↓44・5万人と4万人近くも減少している。過去に流入してきた人口が年を重ねた当然の結果である。これを覆すにはどうするか。高齢化する人口以上に生産年齢人口を呼び込むか、出生数を上げていくか、である。
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