日本商工会議所はこのほど、8月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果とともに、生産性の向上に向けた取り組みとその問題点について、全国の企業にヒアリングした結果を発表した。
中小企業における売り上げ増加、収益力の向上に向けた取り組みは、「既存市場での取扱量の拡大」が44・1%で最多。次いで、「新市場での新規顧客開拓」が41・2%となった。
コスト削減に向けた取り組みは、「従業員の人材育成・能力強化」(46・8%)、「仕入れ先・仕入れ価格・仕入れ商品などの見直し」(44・5%)、「時間外労働の削減や長時間労働の抑制」(40・4%)が4割を超えた。
生産性向上に取り組む上での問題点は、「従業員の能力やモチベーションが上がらない」が34・2%、「人手不足による受注・販売機会の損失」が33・8%となり、中小企業では、人材育成ならびに人材採用への課題が浮き彫りになった。
ヒアリングした企業からは、「受注増に伴い、人員の補強や従業員の能力を強化し対応しているが、それでも人手が足りず、全ての受注には応えられない」(ソフトウエア)、「単身者向けのニーズに対応するため、付加価値を高めた小分け商品を開発し、既存取引先に新たな提案を行っている」(水産加工品製造)、「従業員を、営業・機材設置・メンテナンスなどの複数業務に対応できるよう育成し、人件費の削減とともに顧客との接点を強化している」(特殊繊維卸)といった声が聞かれた。
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