日本商工会議所の岡村正名誉会頭は2月21日、会長を務める中小企業政策審議会の総会に出席。下部組織の小規模企業基本政策小委員会の報告書や、パブリックコメントなどを踏まえ、小規模企業の振興を図るための政策のあり方を取りまとめた。岡村会長は同日、取りまとめの結果について、小規模企業基本政策小委員会の石澤義文委員長(全国商工会連合会会長)と共に茂木敏充経済産業大臣に報告。7日には同報告を踏まえた「小規模基本法案」と「小規模支援法案」が閣議決定され、同日国会に提出された。
新たに策定される「小規模基本法」は、中小企業基本法の基本理念で定める「成長発展」だけでなく、技術やノウハウの向上、安定的な雇用の維持などを含む小規模企業の「持続的発展」を目指すとしている。また国は、小規模企業施策について、おおむね5年間の「基本計画」を定め、政策の継続性、一貫性を担保する仕組みを策定する。さらに、国や地方公共団体、支援機関は相互に連携するよう努めるなどとしている。
「小規模支援法」は、商工会議所・商工会による小規模事業者への支援について規定。今回はこれが改正され、商工会議所を中核とする経営支援に関する取り組みが一層強化される。また、同法で定める基本指針に、「地域活性化に係る事業」を明記。さらに、商工会議所などが、小規模事業者の課題に寄り添って支援する計画(経営発達支援計画)を策定し、国がこれを認定・公表する制度が新たに追加される。
これらの内容については、日商の西村貞一中小企業委員長(大阪商工会議所副会頭)が委員として参画した小規模企業基本政策小委員会で7回にわたり議論を重ねた。西村委員は、①個社支援には創業、販路開拓、連携などの視点が必要、②地域全体の多様な経済活性化を図るため、「面的支援」に向けた多様な施策が必要、③国や地方公共団体による政策が「着実かつ安定的に実施」される必要があるなどの商工会議所の考え方を陳述した。 両法案が今国会(会期末6月22日)で成立した場合、9月頃以降に「基本計画」が決定されるとともに、「経営発達支援計画」の認定・公表が開始される見込みとなっている。
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