日本商工会議所は7月24日、都内で岸田文雄外務大臣ら外務省幹部との懇談会を開催した。懇談会は、双方の活動の理解促進、日商の意見を外務省の政策に生かすなどの目的で初めて実施したもの。今後も定期的に意見交換の場を設けることで合意した。日商の三村明夫会頭からは、中小企業の海外展開支援、経済連携協定の推進、二国間・多国間経済委員会を通じた経済交流の促進などの活動について紹介。17日に外務省はじめ関係各省庁に提出した「平成27年度地域活性化・中小企業関係施策に関する意見・要望」の内容の実現を強く求めた。
会議の冒頭、あいさつした三村会頭は、中小企業の海外展開において「ワンストップによる支援」「トラブルが起こった際の支援」がネックになっていることに触れ、「外務省の海外展開一貫支援制度は、中小企業にとって心強い味方になる」と評価。現在交渉中のTPP、日中韓FTA、日EU・EPA、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)などの広域的な経済連携協定の早期締結を要請した。
日商が長年にわたって積極的に取り組んでいる二国間・多国間経済委員会などを通じた活発な民間経済交流活動について三村会頭は、「特に会員企業の海外進出が多く、関心が高い国々については、日本企業の要望を直接相手国政府トップに伝える」と述べ、日商会頭を団長とする経済ミッションを積極的に派遣する意向を表明。来年2月にインドネシアとフィリピンに派遣する経済ミッションに対する外務省の協力を求めた。
岸田外相は昨年12月に大臣を本部長として設置した「日本企業支援推進本部」の取り組みと、主な成果について説明。日商との定期的な意見交換の場の設置により、全国の中小企業の意見・要望を踏まえ、より積極的に日本企業の海外展開支援に取り組んでいく考えを示した。
会合には、日商から三村会頭、小林健特別顧問、釜和明特別顧問、近藤宏章中小企業国際化支援特別委員会共同委員長(徳島・会頭)ら9人が出席。外務省からは岸田外相、三ツ矢憲生外務副大臣ら9人が出席して意見交換。三ツ矢副大臣からは、日商の要望を踏まえ、外務省として、積極的に日本企業の海外展開支援に取り組むとともに、一層の官民協力・連携を推進していく考えが示された。
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