日本商工会議所は7月18日、「夏季政策懇談会」を都内で開催した。懇談会には、日商の三村明夫会頭はじめ、副会頭、特別顧問、常議員、議員、各委員会の正副委員長ら約180人が出席した。今回の全体テーマは、「『成長する経済』をけん引する中小企業と地域の挑戦」。人手不足や生産性向上といった中小企業の経営課題に対し、どのような支援策が考えられるか、また、商工会議所の経営指導員を中心として、地域や事業に対する支援の成果をどのように上げていくべきかなどについて議論を行った。三村会頭は、「人手不足は深刻度が増している。ありとあらゆることをやらないと人手不足は解消できない」と警鐘を鳴らした。(関連記事2面に)
夏季政策懇談会は、直面する重要政策課題に関する商工会議所の基本的な考え方やスタンス、商工会議所の役割・活動について、意見交換を行うことにより、商工会議所の活性化につなげていくことを目的に例年開催している。会合は2部構成となっており、第1部は「潜在成長率向上への挑戦」をテーマに実施。冒頭にあいさつした三村会頭は、「中小企業が直面する人手不足や生産性向上といった課題に対して、どのように取り組んでいくべきか、また、わが国経済を持続的な成長軌道に乗せるために不可欠な地方創生をいかに実現させるかなど、商工会議所が取り組むべき課題は山積している」と指摘。地域活性化に向け、商工会議所が地域をリードしていくよう呼び掛けた。
会合では、人手不足への対応について、「新卒採用に当たり、地域の学校との連携も重要であるが、中小企業では毎年採用活動を実施していないなど、中小企業の実態を理解してもらうことも必要」「Uターンする若い人材が地方創生にとって重要であり、そのような若い人材から評価される企業にならなければならない。経営者としても自社の魅力を高める取り組みを講じることが重要」といった意見が出された。
中小企業の生産性向上に対しては、「生産性の向上に向けて、経営者にIT・IoT活用の理解を深めてもらうことが重要。それを担うのは商工会議所の役割であり、相談に乗れる人材の育成も同時に必要」といった指摘があった。
商工会議所が果たすべき役割については、「小規模企業にとって最も身近な相談相手である経営指導員は、年々減少しており、支援体制の強化が重要な課題」といった声が寄せられた。
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