日本商工会議所は7月19日、加藤勝信厚生労働大臣との懇談会を都内で開催した。日商の三村明夫会頭は、深刻化する人手不足が中小企業にとって最大の経営課題と強調。多様な人材の活躍や生産性向上に向け、働き方改革に取り組む中小企業への支援を強化するよう求めた。また、2040年度に190兆円に達すると見込まれる社会保障給付費について、「持続可能な制度への抜本的な再構築が必要」と述べた。
懇談会には日商から三村会頭はじめ、尾崎裕副会頭(大阪・会頭)、山本亜土副会頭(名古屋・会頭)、上野孝副会頭(横浜・会頭)、家次恒副会頭(神戸・会頭)、鎌田宏副会頭(仙台・会頭)、深山英樹副会頭(広島・会頭)、渡邊智樹副会頭(高松・会頭)、伊藤一郎労働委員会委員長(東京・副会頭)、前田新造労働委員会共同委員長(東京・副会頭)ら13人、厚生労働省からは、加藤大臣はじめ、高木美智代副大臣、牧原秀樹副大臣、田畑裕明政務官、大沼みずほ政務官ら幹部14人が出席した。
三村会頭は、日商の調査によると、賃上げした企業の6割が、年々深刻化する人手不足を理由に業績が改善していない中で賃上げをした、言わば「防衛的な賃上げ」である点を強調。人手不足対策として、女性の活躍推進や外国人材受け入れ拡大の重要性を訴えた。
加藤大臣は、「働き方改革関連法」の施行に当たり、商工会議所と連携し、中小企業に対する内容の周知・徹底を図るとともに、必要な支援策を届けていく考えを示した。また、外国人材の受け入れについては、就労を目的とした新たな在留資格の創設に向け、法務省と連携して取り組んでいくと述べた。社会保障制度改革については、これまで進めてきた取り組みに加え、健康寿命の延伸や医療・介護サービスの生産性向上といった新たな政策課題にも取り組んでいくとコメントした。
意見交換では、日商側から、時間外労働の上限規制、同一労働同一賃金、多様な人材の活躍推進、最低賃金の大幅な上昇による影響、社会保険料負担の在り方、健康経営などについて発言した。
最新号を紙面で読める!