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新型コロナウイルス感染症対策事業(7月28日)

日本商工会議所、「検査体制の拡充と医療提供体制の安定化」に向けた要望書を政府など関係各所に提出

日本の社会・経済に大きな打撃を与えている新型コロナウイルス感染症。今後、感染拡大の第2波、第3波に直面し、再度の緊急事態宣言という事態になれば、倒産・廃業が急増することが強く懸念されます。新たな感染の波が発生しても再開した活動のレベルを極力落とさずに済むよう、今や社会経済活動維持の基礎的インフラである検査体制の拡充と医療提供体制の安定化に向け、日本商工会議所は7月28日、政府などに緊急要望を行いました。

本要望書は、7月31日の政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会で活用され、検査体制および医療提供体制の拡充が進んできていますが、いまだ十分ではなく、活動再開を支える環境整備を政府などに継続的に働き掛けていきます。本要望の概要は、下記のとおりです。

要望全文はこちら

緊急要望の概要

1 検査体制と医療提供体制の拡充に向けた「数値目標」と「時間軸」の早期明示を

(1)「攻めの検査」の実施~早期発見・早期隔離による市中感染リスクの低減〜

有症状者への迅速なPCR検査の実施とともに、無症状でも感染リスクの高い場所にいる者や入国者などを対象に徹底的に検査することで感染源を早期特定し、広く接触者を追跡・隔離することで二次感染を防止する、いわゆる「攻めの検査」は、感染者の早期発見や重症化の抑制に大きな効果が期待できる。

「攻めの検査」で早期発見された軽症・無症状の陽性者を民間宿泊療養施設などで計画的に隔離することができれば、重症者への対応が求められる医療機関への負荷の軽減が期待できる。「攻めの検査」で市中感染リスクの低減が図られれば、国民や事業者は過度に萎縮することなく、社会経済活動を行うことが可能となる。

(2)数値目標や時間軸を盛り込んだアクションプランの「見える化」

政府と各自治体が、機動的に検査体制と医療提供体制を強化できる具体的な数値目標と時間軸を盛り込んだアクションプランを8月初めにも示し、国民と事業者の不安払拭を図られたい。インフルエンザ流行時を見据え、1日10〜20万件の検査体制が必要との指摘もあり、感染拡大が懸念される秋までに計画的に検査体制と医療提供体制を拡充されたい。

なお、感染疑いのある人を見つけ出す抗原検査や既往歴を見る抗体検査、確定診断としてのPCR検査をフロー化し、目的に合った検査体制を確立・拡充していくことが効果的である。

2 医療機関経営の持続性確保、地域における医療提供体制の安定化への支援の拡充を

~新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の弾力的な運用と増額~

現在、多くの医療機関では新型コロナウイルス感染不安による受診抑制で外来患者が減少し、経営が厳しくなっている。医療機関の経営の持続性確保に向け、コロナの影響に伴う一時的な減収に対する支援などが必要である。最前線の医療従事者への定期的なPCR検査などの支援も必要である。

新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を弾力的に運用した医療機関への経営支援に加え、以下の医療提供体制の安定化に資する取り組みなどに対し、予備費の充当を含む同交付金の増額を図るとともに、コロナ専用病棟などの環境整備も進められたい。

(1)軽症・無症状の陽性者用宿泊療養施設確保

「攻めの検査」で一時的に増加が見込まれる軽症・無症状の陽性者用のホテル借り上げなど宿泊療養施設を、十分な規模で戦略的に確保されたい。

(2)保健所の機能強化

専門性が必要な業務に保健師を集中させ、他の業務は、ITなどの活用、民間委託や臨時職員の採用などで、人員的に逼迫している保健所の多岐にわたる業務の機能を強化すべきである。一定の検査レベルを有する民間検査機関などの活用も効果的である。

3 中小企業などのビジネス目的による受検環境の整備を

(1)出入国者への検査体制の強化、陰性証明書の円滑かつ迅速な発給体制の構築

現在、「空港PCRセンター」や「都市部PCRセンター」を設置し、出入国におけるPCR検査体制を拡充する方針が示されているが、国際的な人の往来のボトルネックとならないよう民間検査も最大活用し、主要空港や港湾などにおける検査体制の大幅な増強が求められる。さらに国際協調の下、検査の標準化を進め、政府や政府が認めた検査機関などが発給する証明書であれば、各国入国時に認められるようにするとともに、証明書の低コスト化と、迅速かつ円滑な発給体制を構築し、地域の中小企業などが必要とするときに取得できる環境を整備されたい。

(2)民間PCRなど検査費軽減への支援

ビジネス目的のPCR検査は、現時点では検査サービス体制が整っていないことに加え、費用も高額で中小企業などが適宜容易に活用できる環境にはない。新しい検査の導入や全自動検査機器などの先進技術の積極的な活用に対する支援を拡充し、検査量自体の軽減が必要である。なお、検査に関わる偽陽性、偽陰性などの検査精度については、さらなる向上に取り組まれたい。