日本商工会議所は7日、「林経済産業大臣と中小企業関係団体との懇談会」を都内で開催した。懇談会には中小企業関係団体から日商の三村明夫会頭、石井卓爾中小企業共同委員長(東京・副会頭)、曽我孝之中小企業副委員長(前橋・会頭)、全国商工会連合会の石澤義文会長、全国中小企業団体中央会の大村功作会長、全国商店街振興組合連合会の坪井明治理事長ら16人が出席。経済産業省からは、林幹雄大臣、高木陽介副大臣、鈴木淳司副大臣、北村経夫大臣政務官ら幹部20人が出席し、事業環境の整備、地域活性化に向けた取り組みなどについて意見交換を行った。
三村会頭は、国内投資を増やすためには、TPPによる市場の獲得、規制改革、法人実効税率引き下げなど六重苦の解消が必要と強調。中小企業の経営課題として、取引価格の是正、価格転嫁、深刻化する人手不足への対応、生産性の抜本的な向上などを挙げ、政府によるさらなる政策的支援を要望するとともに、消費税の軽減税率導入についてはあらためて反対した。
また、全国の商工会議所による自治体や関連団体などと連携した新商品開発、販路開拓支援などの地域活性化事例を紹介。地域資源を生かした域外需要の取り込み、地域の中小企業による成長分野への参入によるイノベーション推進などの後押しを求めた。
林大臣は、「TPPのメリットを最大限活用できるよう、きめ細かな支援を行っていくことが重要」と強調。相談体制の整備や補助金などを活用し、輸出を進めていく考えを示した。小規模企業支援については、「小規模事業者持続化補助金」などの施策を活用し、事業の持続的発展を後押ししていく方針を表明した。
また、経済の好循環の実現のためには、生産性革命を実現する投資が必要との認識を表明。設備、技術、人材への積極的な投資を呼び掛けるとともに、「経産省としても、生産性向上の支援や下請け取引対策に取り組んでいく」と述べた。
意見交換では、石井共同委員長から、外形標準課税の中小企業への適用拡大に反対する考えをあらためて表明。最低賃金の引き上げに対しては、現実を踏まえた慎重な判断を求めた。曽我副委員長からは、地方創生に向けた地域の取り組みを紹介。地域産業の底上げを図る取り組みに対するサポートを要望した。
最新号を紙面で読める!