鳥取商工会議所青年部は、県の愛称を「星取県」として広めようという「星取県プロジェクト」を推進している。同県は人口や産業は少ないが、まちの光が少なく空気が澄んで美しい星空が見えるという利点がある。同所青年部ではこの点をアピールし、観光や産業の活性化につなげようとマスコミなどへのPR活動を開始した。
日本最大級の砂丘で知られる鳥取県は、星空についても環境省の「全国星空継続観察 平成24年度冬期観察結果報告書」で星の見えやすさ1位。こうした地域の魅力を地域振興につなげようと県職員が立ち上げた「星空県構想」が今回のプロジェクトのベースだ。また昨年、「月面調査の国際宇宙開発レース」に挑戦する日本のチームが鳥取砂丘で探査車の走行試験を行うなど鳥取と宇宙にまつわる話題も同プロジェクト開始の追い風となった。
同所青年部では、まず「星取県」の愛称を広めるためパンフレットを作成。また観光客が市内を回遊する仕組みをつくろうと、雑貨店などで砂丘と星空をイメージしたサンドピクチャーの展示を開始した。これはオーストラリアのアーティストが制作したもので、2枚のガラスの間に水・空気・比重の異なる砂が入っており、砂の落下によってつくられる砂のアート。こうしたアートを年内に100カ所程度まで増やしていく予定だ。さらに、鳥取砂丘で星を見るイベントを実施している団体や、旅行会社などとツアーを企画することも検討している。
「星空を眺めることは癒しにもなる。鳥取の星空を広く伝え、滞在型観光創出を目指して活動していく」と同所青年部は話している。同所青年部は、会員数が昨年度末の88人から現在136人へと約150%増加。「星取県プロジェクトをはじめ地域に根差した活動が会員増強にもつながった」としている。
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