少子高齢化が急速に進む中、若年者を取り巻く雇用環境も厳しさを増している。今回の「挑む」では、日本の将来を担う人材を育成すべく、教育支援や協力活動などキャリア教育を活発に行い、顕著な功績を挙げている好事例を紹介する。
桑名商工会議所(三重県)は平成8年度から、製造関連部会を中心に、市内の桑名工業高校の生徒による産業現場実習に取り組んでいる。生徒が直接地域企業に出向き、職場を体験することで、職業観・勤労観を育成。また、日頃の校内実習で得た技術をより高め、ものづくりに対する興味を深めるため、専門家の指導を仰いでいる。
同事業では、企業の業務内容を広く周知する機会であるとともに、今後の採用活動の一助となるため、受け入れ企業側のメリットも大きく、協力企業も増加している。同所の役割は、受け入れ事業所の開拓と学校との仲介役だ。全国でもいち早く、学校、企業、商工会議所が三位一体となって実施したこの手法は「桑名方式インターンシップ」と名付けられ、約200社が協力。業種も食品製造・機械部品製造・鋳物・建設など多岐にわたっている。
さらに、同所では平成16年度に文部科学省の『専門高校等における「日本版デュアルシステム」推進事業』の指定を受けた。同システムは、学校での専門的な学習と企業における実習を組み合わせることで、生徒たちが一人前の職人に育つことを目的とした取り組みだ。週1回、産学連携で行う実践的な実習のマッチングを行っている。
これらの事業の効果は絶大で、同校の就職内定率は100%となった。インターンシップを受けたいと入学を希望する生徒も多く、同校への求人倍率は今年度は6倍という高実績を挙げている。
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