1000年の歴史を誇る備前焼
赤レンガの煙突から煙が立ち昇る窯元で、1000年もの歴史と伝統を受け継ぐ備前焼。備前のまちには現在も400人余りの作家たちが窯を構え、作品を生み出している。まちの窯から煙が昇らない日は一日もないという。
「岡山県の東の玄関口にある備前市は、古くから交通の要所にある宿場町として栄えました」と語る備前商工会議所の長﨑信行会頭は、海沿いを散歩するのが気持ち良いと話す。瀬戸内海の新鮮な海の幸も豊富で、カキやアナゴ、しゃこなどを使った料理が楽しめる。
「備前市は、5人の人間国宝を輩出している、文化の香りが高いまちでもあります」と長﨑会頭。瀬戸、常滑、丹波、信楽、越前とともに日本を代表する六古窯の一つに数えられ、その中でも最も古い歴史を持つ備前焼は、5世紀ごろに須恵器をつくっていた職人たちが、平安時代から鎌倉時代初期にかけて、実用的で耐久性のある生活用器を生産したのが始まりと言われている。
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