「骨太の方針」ならびに「新成長戦略」の閣議決定について
商工会議所ではこれまで、(1)法人実効税率の引き下げ(20%台)、(2)安全が確認された原発の再稼働を含む実現可能なエネルギー政策の実施、(3)人口減少に対応した地域資源の活用と観光振興による地域再生、(4)地域を支える中堅・中小企業の振興(創業含む)、(5)TPPをはじめとする経済連携の推進(農業対策含む)、(6)規制・制度改革の一段の加速などの実現を求めてきた。これらは、わが国が持続的に成長していくため不可欠な条件であり、今般、その主張の多くが盛り込まれたことを歓迎したい。今後は、盛り込まれた政策をいかに迅速かつ果断に実行していくかが何よりも重要である。
とりわけ、「骨太の方針2014」において、このまま何もしなければ確実に直面する人口急減という、わが国の今後の成長の根幹にかかわる中長期的な大問題を真正面から取り上げたことは画期的である。2020年を目途に、「人口急減・超高齢化」への流れを変え、50年後に1億人程度の安定した人口構造の保持を目指すことを政府の目標として明確に掲げ、社会制度・システムの改革を強く打ち出したことに意義がある。
また、20%台への法人実効税率引き下げを来年度から開始する旨明記されたことは歓迎できるが、その代替財源については、複数年度における経済成長の果実をさらなる成長への好循環のために活用すべきである。課税ベースの見直しは、制度の公平性や簡素化、国際的な整合性、中小企業への影響等のさまざまな視点から慎重に検討しなければならない。とりわけ、外形標準課税は、雇用や地域経済への影響が甚大であるため、その適用拡大に反対する。
一方で、厳しい財政状況を踏まえれば、徹底した歳出改革が不可欠である。特に、今後も増大が見込まれる社会保障給付の重点化・効率化が急務であり、早期に改革を断行すべきである。
成長の主役は民間の力に他ならない。企業や地域自身が、成長に向けたイノベーションに挑戦していくことこそが鍵であり、商工会議所としても、その支援に一層注力していく所存である。 (6月24日)
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