◆7-9月期GDP速報値の結果について
2014年7-9月期のGDP成長率は、消費税率引き上げの影響により大きく落ち込んだ4-6月期に続くマイナス成長という厳しい結果となった。天候不順により個人消費の回復が遅れるなど、内需の不振が鮮明になっている。わが国経済の回復は、消費税率引き上げの影響が残る中、仕入・電力料金などのコスト増による収益圧迫や人手不足の影響、天候不順などもあり、足踏み状況にある。
ただし、在庫の取り崩しが進んだことが見かけ上の成長率を押し下げる大きな要因となっており、また、雇用状況の改善や機械受注の4カ月連続の回復などポジティブな側面も見られ、景気は緩やかな回復軌道をたどっていると考えられる。
政府には、景気を確実な回復軌道に乗せるため、下支えとなる経済対策を早急に実施するとともに、人口減少などの構造的な課題の解決に向けた具体策を迅速かつ果断に実行することを求めたい。また、企業が安心して設備投資や人材確保などに取り組むことができるよう、中長期的なプロジェクトなどの方針を示すことも重要である。さらに、持続可能な社会保障制度の確立には、予定通りの消費税率引き上げとともに、社会保障給付の重点化・効率化の徹底が不可欠である。 (11月17日)
◆日中首脳会談について
日中両国の首脳会談が約3年ぶりに開催されたことを大変喜ばしく思う。未来志向の両国関係の発展に向けて極めて重要な一歩である。
一衣帯水の隣国であり世界で第2位と第3位の経済大国の日中両国の良好な関係は、両国の成長はもとより、アジア太平洋地域の安定と繁栄にとって必要不可欠である。
今回の会談を機に、相互の信頼醸成により、両国関係が一層発展することを期待する。
商工会議所としても、中国の経済団体などとの交流を通じ、相互理解の促進と経済関係の発展に努めていく。 (11月10日)