日本商工会議所は9月17日、第122回通常会員総会・会員大会を都内で開催し、全国398商工会議所などから会頭・副会頭ら1300人を超える出席があった。総会の冒頭あいさつした三村明夫会頭は、日本が抱える課題として「人口急減」と「地方の疲弊」を挙げ、「地方創生は困難な課題であるが、しかし何としても解決しなければならない」と強調。「目の前の課題の克服がいかに困難を極めるものであっても、前に進んでいかなければ、明るい未来は開けない」と呼び掛け、「日本商工会議所は、全国の商工会議所のネットワークを最大限活用して、皆さまの活動を全力で後押ししていく」と決意を述べた。 (関連記事2、3、4、5面に)
三村会頭はあいさつの中でわが国は、20年にわたる「供給過剰・デフレ」の状態から、「供給不足・インフレ」に移る「変わり目」の時期にあると指摘。「いよいよ日本の潜在成長率を高めるための本質的な政策、すなわちサプライサイドの成長政策を遂行すべき局面に直面している」との認識を表明するとともに、国内設備投資による輸出競争力の強化や、人手不足に対処する省力化投資など、政府による民間の活動に対する後押しの必要性を強調した。
また、地方創生の切り札として観光振興が重要との考えを表明。主要都市のみならず、インバウンドの効果を広く各地に行き渡せることが必要と指摘した。
さらに、商工会議所観光担当ネットワークによる成果として、北陸新幹線開業を契機とした京都・大阪・神戸・富山・金沢・福井の6商工会議所による「北陸・関西連携会議」の事例などを紹介。「創意工夫によって、広域での観光振興に取り組んでほしい」と述べるとともに、日商としても、地方創生につながる制度改正に向けて取り組みを強化していく意向を示した。
総会では、安倍晋三内閣総理大臣と宮沢洋一経済産業大臣のメッセージを披露。安倍首相は、「生まれつつある好循環を、民間主導の経済成長に確実につなげるため、過去最高水準の企業収益にふさわしい賃上げ、正社員化、民間投資の拡大を実現しなければならない」と強調。「三村会頭の力強いリーダーシップの下、地方創生、そして日本経済再生に向けた動きを強力に進めていただきたい」と呼び掛けた。
また、自由民主党・棚橋泰文幹事長代理、公明党・山口那津男代表、維新の党・松野頼久代表が来賓として出席、あいさつした。 総会議事では、「平成26年度事業報告(案)」と「同収支決算(案)」が異議なく承認された。また、地方創生の実現に向けて、商工会議所がリーダーシップを発揮していくことなどを盛り込んだ大会決議を採択した。
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