日本商工会議所特別顧問でASEAN・日本経済協議会日本委員会(AJBC)の斎藤保副会長は8月28日、オンラインで開催された第52回日ASEAN経済大臣会合に出席した。同会合はASEANおよびその加盟10カ国で開かれ、日本からは梶山弘志経済産業大臣らが参加した。
斎藤副会長は、日本の産業界を代表して、新型コロナウイルス感染症の拡大により大きな転換期を迎えた日本とASEANの新たな協力の在り方について提言した。日本の産業界が取り組んでいる「日ASEANイノベーションネットワーク、通称AJIN(アジン)」のこれまでの活動成果と、新型コロナによる産業界への影響を踏まえ、刻々と変わる事業環境やリスクに企業が柔軟に対応していくために、デジタルを活用したビジネスマッチングの検討などを要望。デジタル化の加速、そのための人材の早期育成と供給、サプライチェーンの多元化・強靭(きょうじん)化、イノベーションのさらなる創出を図る。
また、ジェトロの佐々木伸彦理事長からは、ASEANにおけるサプライチェーン強化のためのプログラムの実施とイノベーション創出を支援するオンラインプラットフォームの運用を通じて、ビジネスを通じたASEANのSDGs達成を目指していることが報告された。
ASEAN各国の閣僚は、日本に感謝の意を表明するとともに、AJINからの提案を歓迎した。
今回の会合では、7月の日ASEAN経済大臣特別会合で発出された「日ASEAN経済強靱化アクションプラン」に盛り込まれたプロジェクトの進捗(しんちょく)について共有した。さらに、アクションプランの具体化を図りながら、近年、ASEANが直面しているさまざまな社会課題の解決と経済成長の実現という同時達成を目指すべく、日ASEAN協力を継続的に議論する「イノベーティブ&サステナブル成長対話」を立ち上げることに合意した。
今後は、テーマを複数選定し、日ASEAN双方の産業界や学界といった幅広い関係者が参加するウェビナーをシリーズで開催していく。
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