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伝えていきたい日本の技 長崎チロリ

瑠璃庵(長崎県長崎市)

チロリのほか、風鈴や花器などの制作、ステンドグラスの修復、体験教室の実施などを通して長崎ガラスのよさを広めています(撮影:加藤正博)

今月は、瑠璃色のガラスが涼を添える、冷酒用の酒器・長崎チロリと杯をご紹介します。

長崎では、かつてポルトガルとの交易によりガラス製品が伝わり、17世紀後半には諸外国から学んだ技法を元に“長崎びいどろ”と呼ばれるガラス製品がつくられていました。「びいどろ」はポルトガル語で吹きガラスを意味するVidroに由来しているといい、長崎チロリはその代表作の一つでした。

しかし明治維新後、長崎におけるガラス製造は衰退の一途をたどり、瑠璃庵の当主である竹田克人さんが創業したころには、県内で売られているガラス製品が県外産か輸入品ばかりになっていたといいます。

そこで長崎のガラス工芸を復活させようと取り組んだのが、長崎チロリの復元でした。江戸時代と同じように宙吹(ちゅうぶ)き(※)の製法でつくられた繊細なフォルムと、独自の原料の調合により生み出された瑠璃色は、長崎ガラスの美しさを改めて教えてくれます。

※吹きざおと金ばし、はさみなどの補助道具類を使って、手で成形する方法

※月刊石垣2018年9月号に掲載された記事です。

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