日本商工会議所は11月19日、「新型コロナ克服に向けた新たな経済対策に関する意見」を政府などに提出した。
わが国は、Go Toキャンペーンなどの政策効果により、社会経済活動のレベルが確実に引き上がり、最悪期から持ち直しつつあるものの、感染再拡大への警戒感や感染予防対策に伴う活動制約によって需要回復への力強さは見られず、新型コロナウイルス感染症発生以前の経済状況からは程遠い状況にある。
こうした中、中小企業は事業継続・雇用維持に必死に取り組んでいるが、足元では、全国各地でクラスターの発生が相次ぐなど、感染者数は増加傾向にある。再び活動自粛という事態に陥れば、倒産、廃業に伴う失業の急増は避けられない。
コロナ禍克服の最大の対策は、感染拡大を最小限に抑えつつ、活動を最大限に活発化させていく、両立環境の整備である。国、自治体、国民、事業者、医療機関などがより一層緊密に連携し、両立支援に取り組んでいかなければならない。
そのため、日商は、中小企業の実態や地域経済の窮状を踏まえ、刻一刻と変化する現場の声に基づき、「感染拡大防止と社会経済活動の両立環境の整備」と「中小企業の事業継続とポストコロナを見据えたビジネス変革への支援」を柱とする同意見書を取りまとめた。両立環境の整備では、日商がこれまで要望してきたものも含め、検査体制の強化、医療提供体制の安定化への対策の拡充を求めている。その中で、あらゆる情報、これまでに得られた知見を活用した感染拡大の早期検知に努めるとともに、クラスター発生時には地域集中的な検査による感染の封じ込めを初めて要望。また、地域の感染状況に応じ、休業や営業時間短縮の要請が必要になった場合、エリアや業種限定で行うべきであること、発動要件の明確化と事前周知を図ることを要請している。
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