日本商工会議所は11月19日、日本経済団体連合会、経済同友会との連名で「サプライチェーン・サイバーセキュリティ確保に向けた共同宣言」を公表した。
同日、「サプライチェーン・サイバーセキュリティ・コンソーシアム(SC3)設立総会をオンラインで開催。日商の金子眞吾特別顧問が副会長としてあいさつした。基調講演では、大阪商工会議所の廣瀬恭子副会頭が登壇し、中小企業のサイバーセキュリティ対策について説明した。同コンソーシアムは、産業界が一体となって中小企業を含むサプライチェーン全体でのサイバーセキュリティ対策の推進を目的に設立されたもの。
共同宣言は、同コンソーシアムを通じて、サイバーセキュリティー対策を推進し、日本の産業に対する信頼の維持・強化につなげることが目的。①サプライチェーンを共有する企業間における高密度な情報共有②機微技術情報の流出懸念がある場合の報告③多数の関係者に影響する恐れがある場合の公表という企業のリスクマネジメント強化のための基本行動指針の設定、中小企業自らがセキュリティ対策に取り組むことを宣言する制度「SECURITY ACTION(セキュリティ・アクション)」の実施および「サイバーセキュリティお助け隊」の活用など、サプライチェーン全体のサイバーセキュリティ強化に向けた取り組みの推進―の3点が盛り込まれている。
SECURITY ACTION広がる
日商は、セキュリティ・アクションの創設にも携わった。本年7月には宣言件数が10万件を超え、全国の商工会議所では約350カ所が宣言している。
また今年度、名古屋・大阪・高松商工会議所では、中小企業のセキュリティ・トラブルの相談や、サイバー攻撃を受けた際の支援を無料で実施し効果を検証する、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「中小企業向けサイバーセキュリティ対策支援体制構築事業」に参画。大阪商工会議所は4月から中小企業に特化した安価で簡便な「サイバーセキュリティお助け隊サービス」をスタートするなど、各地商工会議所で中小企業のサイバーセキュリティ対策に向けた取り組みが広がっている。
最新号を紙面で読める!