日本商工会議所青年部(日本YEG)広報委員会は、オンラインで渋沢栄一翁の玄孫(やしゃご)・澁澤健氏による講演会と同氏と日本 YEG 米良充朝会長との対談を開催した。オンラインのみ(会長含む日本YEG執行部は現地参加)の開催という初の試みであったが、全国から1000人を超える登録があった。
11月11日は「YEGの日」
「YEGの日」は、11月11日またはその近日に、各単会が事業を行ってYEGブランドをメディアなどに発信し、会員の帰属意識・連帯感の高揚につなげようと平成24年度に制定された。昭和56(1981)年11月11日、群馬県前橋市で「全国商工会議所青年部連合会第1回全国大会」が開催され、同大会での緊急動議により、全国組織としての日本YEGが誕生したことによるもの。
今回は「YEGの日」事業として「渋沢栄一翁プロジェクト」第1弾を開催。同プロジェクトは、38歳の若さで明治11(1878)年に東京商法会議所を設立・初代会頭に就任、令和6(2024)年には日本国の1万円札の顔となる渋沢栄一翁について紹介し、YEGによる対外的な認知度アップを目的に実施するものである。
第1弾となる本事業では、渋沢栄一翁の玄孫である澁澤健氏を迎え、メンバーが経営者として研さんするためのWEB講演と対談を実施した。
『と』という文字の持つ力
第1部の講演会のテーマは「渋沢栄一の「論語と算盤」で未来を拓く」。澁澤氏は「『論語と算盤』の大事なポイントは、『幸福の継続』と『富の永続』であり、現代の言葉で言い換えると、『持続可能性(サスティナビリティ)』、『包摂性(インクルージョン)』である。加えて、論語『と』算盤のように『と』という文字の力を理解し実践することが大事だ。論語『と』算盤のような、一見矛盾があり並列ではなく実践が難しい、『と』を挟んだ両者について、あきらめることなく試行錯誤を繰り返して考え、実践し両立することが大事である。両立することによって新たなモノの創造=クリエーションへとつながる可能性を表す文字である」と語った。経済の潮流から金融論、倫理的側面と資本主義など多岐に渡る講演内容を聞いて、経済人としての目標やその達成に向け何をするのかを考えるきっかけとなった。
経済は『ありがとう』の連鎖
第2部は、「青年経済人が渋沢栄一翁から学ぶこと」をテーマに、澁澤氏と米良会長の対談が行われた。
今後の日本はどのように舵を取ればよいのか、超高齢化社会へ突入する日本の行く末は? もし渋沢栄一翁が生きていたら、どのような言葉を投げかけてくれたのか? 我々はそのようなことを考え、物事の本質を見抜く知恵を身に付けることや、情熱と強い意志を持つことなどを学んだ。
澁澤氏は対談で、「『経済はありがとうの連鎖』という言葉がある。商品やサービスに対して、お客さまは『ありがとう』と対価を払い、提供した企業も『ありがとう』とお金を受け取る。お金の流れには必ず感謝が存在し、経済は感謝の連鎖であって、『ありがとう』が増えれば増えるほど、価値が高まる」と話した。
さらに、さまざまな組織でよく耳にする「前例がない」「組織に通らない」「誰が責任を取るんだ」という「三つの言い訳」を挙げ、目標に向かって大きく飛躍するためには、この三つの言葉を排除することが必要であることを強調した。
当日の様子は、WEBにて限定公開(本年度中)しています。https://yeg.jp/2020/bookings/2/より登録すると視聴できます。是非ご登録ください。
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