高砂商工会議所(兵庫県)は、高砂市内の商店街の空き店舗を活用したシェアオフィス「起業家空間『LINC(リンク)』」を1月に開設した。テレワークや副業など働き方の多様化が進む中、企業間の交流による新事業の創出や企業内起業の促進を目的に開設し、起業家や大手企業などにも利用を呼び掛けている。2020年12月に実施した内覧会には、地元の事業者や金融機関などが訪れた。
同所は19年から、空き家や空き店舗対策としてクリエーティブ産業を誘致し産業間のネットワークやまちとのつながりをつくる「LINCプロジェクト」に取り組んでおり、同シェアオフィスもその一環。LINCとは、Lead the Intelligent Network in Creative industry(創造的産業のネットワークをリードする)の略で、人や企業、仕事が結び付く「LINK」の意味が込められている。
建物は2階建てで1階は貸し会議室やセミナー室、2階の3室をシェアオフィスとしてワーキングデスクを8カ所に設置した。3月までは試行期間として金融機関などの社員が出向して活用、出向者間で交流する。4月から本格稼働する予定だ。
開設に当たっては、学生と企業間の交流を図るために利用したいとの大学からの問い合わせやソフトウエア開発者、就労支援業者などからの相談も受けた。実際の利用者からは「企業間交流により社員に人的ネットワークができれば」「イノベーション人材の発掘につなげたい」との声があった。同所担当者は「名称通り人と企業、仕事が結び付き、新たなビジネスが生まれれば」と期待する。
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