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共助と連携により、東北の復旧、復興を支えた主な取り組み

被災事業者の販路開拓を支援

〝仙台方式〟で高い成約率 「伊達な商談会」

26のブースで個別相談に臨む参加者(伊達な商談会IN KESENNUMA、2016(平成28)年11月)

「伊達な商談会」は、宮城県商工会議所連合会(事務局仙台商工会議所)が中心となって、被災地域の企業の販路回復・開拓支援として2013(平成25)年から始まったもの。

同商談会の最大の特徴は、百貨店や商社でバイヤーを経験したコーディネーターによる伴走支援で、商品開発や商談の際のポイントなど、事業者の抱えるさまざまな問題を、商工会議所と共に一つ一つ解決していく、きめ細やかなサポートをする〝仙台方式〟にある。

この仙台方式により、被災して販路が閉ざされてしまった事業者の販路開拓支援を行い、被災地の中小・小規模事業者などの成約率は大きく伸びた。

被災後、新たな販路の開拓を目指して、同商談会に参加したという被災地のある業者は、「一般的な商談会では主催者が文書や電話でバイヤーに参加を依頼することが多いのですが、伊達な商談会では商工会議所のコーディネーターがバイヤーのもとへ直接出向いて参加を要請したり、商談中は付き添ってアドバイスをしてくれる。さらにバイヤーに対して商談結果の報告まで求めてくれました。よその商談会では数%程度の成約率が、伊達な商談会では50%近くまで上がりました」と、成約率の高さに驚くとともに新たな販路の開拓にも自信を深めたという。他県からも申し込みが殺到、東北六県に広がっていく。この商談会は、より高い成果を得るため「個別型」「集団型」「バスツアー型」の3タイプがあり、バイヤー種別やサプライヤーの状況に合わせたさまざまな商談スタイルで実施。コーディネーターの手厚いフォローで、成約率は、20%以上と高い水準を誇っている。

この商談会は、もともと宮城県内の被災地企業を支援する商談会だったが、その後、東北六県商工会議所連合会とも協力し、現在まで東北各地で開催している。

被災地の水産加工業者に絞って支援する水産商談会

「伊達な商談会」の成功により、この方式を取り入れて15年から始まったのが、水産加工品としては東北最大級の「東北復興水産加工品展示商談会(以下、水産商談会」だ。

震災から4年が過ぎ、被災した東北の太平洋沿岸部でもインフラなどの整備は少しずつ進んでいった。一方で、沿岸部の主要産業である水産加工業などを中心に喪失した販路の回復は思うように進んでいなかった。

そこで、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県沿岸部の水産関係者が一致団結して復興に向けて頑張っている姿を全国にアピールし、合わせて失われた販路の回復を後押しすることを目的に、水産商談会(主催:復興水産加工業販路回復促進センター、構成員:東北六県商工会議所連合会)が開催された。

水産商談会は、前述した〝仙台方式〟を取り入れ、展示会に出店する水産加工業者に専門のコーディネーターが寄り添い、高い成約率を上げている。同商談会は、仙台市にある仙台国際センター内にて年に1回開催されている(20年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止。今年度で事業終了)。

被災企業の復興を支援する企業マッチング「結の場」

震災により甚大な被害を受けた被災地域の中小・小規模事業者は、自らの努力や既存制度の活用のみでは解決できないさまざまな課題(支援ニーズ)を抱えていた。こうした被災した中小企業などのさまざまな課題を解決するための場として、震災翌年、12年11月に第1回「結の場」(主催:復興庁、石巻商工会議所)が石巻市で開催された。以来、被災した地域の商工会議所と連携し、毎年数回開催されている。

結の場は、商談会というよりも、大手企業(支援企業)と被災した中小企業などのマッチングによる被災企業の復興や事業再開を目的としていた。このため、開催当初から結の場に期待する多くの被災企業が参加した。その目的は、新製品の開発、社員教育、販路開拓、業態変換、IT化など多岐にわたった。結の場では、支援企業が被災企業のニーズに応えるために自社の利害を超えて、技術、情報、販路など、自社の経営資源を被災企業に幅広く提供し大きな成果を挙げている。